学徒動員先の工場で空襲に遭い、犠牲となった生徒、引率教員の死を悼み御霊を慰めるため、毎年西遠では、生徒の手によって慰霊式が行われています。
戦後70年という節目に当たって、今年はご遺族の橋本様からお手紙が寄せられました。戦争は悲しさと恐怖の記憶しか残さない、だから二度と戦争は起こしてはならないということ。平和な世の中が続くことが亡くなった方への供養になるのだということ。幸せは平和であることなど、生徒へメッセージを送ってくださいました。つらい過去を振り返り、平和の大切さを私たちに伝えようとしてくださったことに、感謝の気持ちを忘れてはいけないと思います。そして、私たちは戦争体験者の方々の思いを受け止め、受け継いでいかなければならないと感じた慰霊式でした。
西遠では、毎年生徒全員が、平和について考え作文を書いています。今年は1年生、3年生、4年生が代表として作文を発表しました。
1年生は、戦争を体験した方にお話をうかがって作文を書きました。戦争による被害は、直接的なものだけでなく、間接的なものもあるということを知り、二度と起こしてはならないと感じたということ、そして、平和のためにどんなことが自分にできるのか、発表しました。
3年生は、岩波ジュニア新書「ひめゆりの沖縄戦」を読み、戦争は遠い世界の出来事ではないということ、つらい経験をした人々の声を聞き語り継ぐことで戦争の種は摘み取れるのではないか、ということを発表しました。
4年生は、アウシュビッツに関する本を読み、戦争の悲惨さを後世へ伝えることが同じ過ちを繰り返さないことにつながるということ、お互いに尊重し合うことが平和への近道であるということを発表しました。
文責 岩﨑 裕子