殉難学徒慰霊式が行われました。

 勤労動員先の工場で空襲に遭い、犠牲となった生徒、引率教員の死を悼み御霊を慰めるため、毎年西遠では、生徒の手によって慰霊式が行われています。
 戦後71年の今年は、校長先生から、学徒動員として軍需工場で働いていた大杉暁子さん(旧姓金原さん)のお手紙が紹介されました。大杉さんは、軍需工場にいたときに空襲に遭い、友人20人と共に防空壕に逃げ込んだそうです。ところが、生き残ったのは大杉さん一人だけだったのです。これまでつらいことや苦しいことがあっても、亡くなった友人の分まで生きることが自分の使命だと思って頑張ってこられたそうです。戦争は愚かで悲しく、むごいことであり、二度と戦争に巻き込まれないように強い意志を持って生きていくことが大切であること、そして平和な世界を目指して生きてほしいとメッセージをいただきました。つらい過去を振り返り、平和の大切さを私たちに伝えようとしてくださったことに、感謝の気持ちを忘れてはいけないと思います。そして、私たちは戦争体験者の方々の思いを受け止め、受け継いでいかなければならないと感じた慰霊式でした。

 西遠では、毎年生徒全員が、平和について考え作文を書いています。今年は1年生、3年生、6年生が代表として作文を発表しました。
 1年生は、戦争を体験した方にお話をうかがって作文を書きました。戦争による被害は、戦時中だけでなく、戦後も消えることなく続くのだということを知り、戦争は二度と起こしてはならないと感じたということ、そして、今を生きる自分たちが、平和を未来につなぐ架け橋にならなければならないということを発表しました。
 3年生は、岩波ジュニア新書「15歳のナガサキ原爆」を読み、平和な時代に生きていることへの感謝の気持ちを忘れずに、一人一人が考える平和というものを大切にして、その平和を未来につなげることが自分たちの使命であるという考えを発表しました。
 6年生は、世界では宗教を始めとして様々な問題が起こっているが、平和な世の中にするためには戦争の悲惨さや戦争がもたらすものについて、そして人の命の尊さや平和の大切さを伝える平和教育が大切だと発表しました。

文責 岩﨑 裕子