用務員室から no.3 「雑草という名の植物」

草取り(草刈り)については、近隣のみなさまにも学園内のみなさんにも、「あそこの草をはやく取ってくれないかなあ」といろいろな場所でそれぞれの声が聞こえてきそうですが、ひととおり取り終えると最初の場所は草ボーボーという状況の中でがんばって行きますので、ここはひとつ温かい目で見守っていただけたらうれしいです。
ところで、ある日草取りをしていた僕は思いました。タンポポの黄色い花が咲いているのは絵になるので残しておいて、そのまわりのよくわからん草は引っこ抜いてゴミ袋に入れたけど、雑草かそうでないかを決めているのは自分ではないかと。植物からしたら迷惑な話です。人間の都合で必要がないものを「雑草」という呼び名で、ひとくくりにされて捨てられるのです。ボブ・ディランの曲の歌詞にある「君の立場になれば君が正しい。僕の立場になれば僕が正しい。」という一節を思い出しました。
とても悩ましいのですが、矛盾したまま進んでゆくことなどは、これに限らず他にもたくさんあります。けれど僕は、何も考えずにしょうがないとあきらめるのは面白くなかったので、せめて雑草図鑑で名前を調べることにしました。結局、それをしても何も変わらないけれど、自己満足でも良いからそうすることにしました。
今日は、ハルジオン、ハハコグサ、ノゲシ、カラスノエンドウ、オランダミミナグサ、ツメクサ、スギナ、ドクダミ、コニシキソウ、アメリカフウロ、ヒメコバンソウを取りました。今年の学園内は「ヒメコバンソウ」が圧倒的に幅をきかせています。小判だらけです。

文責 佐藤文彦