4年 学問を識る

今日の3,4時間目,4年生は「学問を識る」を実施しました。「学問を識る」は,4年生が実施している「進路を考える月間」の中の重要なプログラムの一つで,現在大学院で研究活動をしている,または来年度大学院に進学して研究を続ける予定の卒業生を招いて,専門分野の学問の魅力を伝えてもらおうというものです。今回は4人の卒業生が,それぞれの研究分野について,お話をしてくれました。

東京理科大学理工学部の大口カロリーナ南さん。環境にやさしく,なおかつ渋滞緩和につながる信号制御を機械学習でどのように実現できるか,ということを研究していて,来年度大学院進学の予定です。迷惑メールの判断やアマゾンのレビューの判定などの例を挙げながら「機械学習」が身近なところでさまざまに利用されていることも紹介してくれました。留学の経験についても熱く語ってくれました。

信州大学大学院の竹森由佳さんは,作業療法学科での学びから興味を発展させて,「うつ病の客観的な指標となる物質の研究」や「青少年期の心理ストレスを反映するマーカーの開発」といった,心理学系の研究をしています。作業療法学科ではどのようなことを学ぶのか,その中で,どのようにして今の研究テーマに出会ったのか,といったところから,研究内容,進め方などについてお話をしてくれました。

信州大学人文学部の芹澤優花さんは,来年度から東京大学の大学院に進学します。楽器演奏の際,「相手の音を知覚して自分の音を出す」というプロセスが,熟練者と初心者でどのように違うかという研究をしています。文系の学部でも,研究データの解析にはプログラミングの知識や数学が必要。それを自分でしっかりと学んで身につける,ということを当然のこととして話してくれましたが,生徒はどのように受け止めたでしょうか。

順天堂大学大学院でスポーツマネジメントの研究をしている三倉茜さん。三倉さんにこの企画に来ていただいたのは今回が3回目です。10月には外国での学会もあったということですが,忙しい中,4年生のために,専門分野について,詳しくお話ししてくれました。今,たくさんの女性アスリートが活躍していますが,「女性がスポーツをするために,どのような環境が望ましいのか」,さらに研究は続きます。
自分が取り組んでいることの中に「面白さ」「興味」の対象をみつける「意識の芽」を,高校生の時代に育てたいものです。
文責:米倉茂樹