「学園祭を振り返る」第5回は、学園祭が生徒たちに与える「社会との接点」について取り上げてみたいと思います。
毎年10月第1土、日曜日に行われる西遠の学園祭。
たくさんのお客様がいらっしゃいます。
生徒にとって、こんなにたくさんのお客様を一度にお迎えする機会は、学園祭くらいしかないでしょう。
2日間まるまる一般公開をすることには、理由があります。
それは、西遠の学園祭が「開かれたもの」であり、
決して内輪受けの、内向きのものではないからです。
保護者の皆様、同窓生の皆様、恩師の先生方、旧職員の方々、ご家族、小さいお子さんからご年配の皆様まで、幅広い方々が集う大事な場であり、そこから生徒はたくさんの勉強をすることができるのです。
たくさんのお客様をお迎えするキャストとしてのあり方を、生徒たちは必ず学習します。
裏方を主として担うのは、2年生と6年生です。
特に2年生は、「働く」ということについて道徳や学級指導の場で考え、それを準備や片付けでの上級生のお手伝いであったり、学園祭の係としてなど、様々な形で実践します。
6年生もまた、最後の学園祭を「おもてなし」の最上級生として迎えます。西遠の中で学んだおもてなしの心を、受付やバザー、模擬店で発揮します。
そして、実行委員会が生徒の係分担を発表、希望などお構いなしで仕事が与えられる生徒もいます。
まさにぶっつけ本番ですが、キャストとしての自覚を持って働きます。
学園祭は、大人の皆さんと接する大事な機会です。
また、小学生や幼児の方々への接し方も学びます。
言葉遣い、挨拶、的確な返答、物腰、気遣い
・・・それらを実践しながら、確実に体得していきます。
係の一人として仕事をテキパキこなせるようになるにつれて、
笑顔もさわやかになるし、声も少しずつ大きくなって、
子どもたちは、社会での大事な要素を備えていくのです。
大人の方々と接し、働くことの清々しさを感じ、責任感を身に付けていく・・・これもまた、学園祭で育つ大事な事柄なのです。
もちろん、この学びは、ホームルーム展のプレゼンテーションを行う際にも、発揮されます。
事前の話し合いの中で「どういうおもてなしをするか」がテーマとなり、
クラスとしてのお客様の迎え方が決まってきます。
「JAL」の3年藤組が、JALの社員さながらの設定でプレゼンをしたのも、その一例です。
また、準備の段階でも「社会との接点」は意識されます。
今年のホームルーム展では、たくさんのクラスが外部の方を取材しました。
お宅や会社にうかがって、大事な質問をし、答えをしっかりメモする。
自分達が調べているテーマをきちんと相手に伝え、協力を願う。
作業を体験させていただき、感想を伝える。
写真を撮らせてもらい、お礼を述べ、学園祭にもお誘いする。
・・・こうした学習が社会との大事な接点となり、生徒の視野を大きく広げ、行動力にも結びつきます。
これこそ、西遠のホームルーム展の素晴らしいところだと思います。
今年の学園祭で、
社会との接点を自覚して学んだ生徒たちが、
着実に大きく成長したことを心から嬉しく思います。
この学びは、生徒の視野を大きくさせることでしょう。
生徒を成長させてくださったたくさんの皆様に、改めて感謝致します。