「女子校って面白い! 9」は、昨日の8の続きです。
読書と女子、そこにはどんな可能性があるのでしょう。
「松風の門」は読んだことがあります。「鼓くらべ」のあの言葉、よく覚えています。私も音楽や絵画、そういった芸術が好きなので、初めて読んだ時は、はっとさせられ、感想を書くときに「そうだよなぁ、それって大事だよなあ」としみじみ思いました。実際、学園祭の美術クラブ展で行なったアンケートで「心に残った作品」の中に入って本当に嬉しかったです。選んでくれた80数人の心に自分の絵が少しでも感動を届けていたのだと思うと、芸術の素晴らしさというものを感じられました。
私には、本好きの2人の友人が居て、本をすすめてくれるのですが、それがうれしくて、ありがたくて、楽しいです。共通の話題ができるので、会話も弾みます。(2年生)
これは、10月31日の「講堂朝会」への感想文の一部です。
私が紹介した「松風の門」を読んでいた生徒がいたのも嬉しかったですが、
それ以上に、彼女が「松風の門」の中の「鼓くらべ」と出会ってから、どんな思いを抱き、それがどんなところで実感できたのか、
学園祭での体験も踏まえて、本が彼女自身の歩みに寄り添っているのが分かり、嬉しく思いました。
そして、本好きの友人を得た喜び。
これから、本の世界がどんどん広がっていきそうです。
本のことを語れる友と出会うのは、大きな財産です。
私自身も、高校時代、読書好きのクラスメイトに感化され、今までにないジャンルの本を何冊も読みました。
彼女が居なかったら、出会わなかった作家や作品でした。
本を読みながら、こんな不思議な感覚を抱いている生徒もいます。
私は、小説はもちろん芸術の一つだし、中でも、いつ、だれが読んだとしても、平等に感動や夢を与えてくれるというところに、小説の素晴らしさがあると思います。小学生の頃、食べるのも忘れるほどのめり込んでいた『三銃士』(アラミスが好きでした)や『トム・ソーヤの冒険』が、今から200年近く前に書かれた作品であったことを知り、とても不思議な気持ちになったことがありました。(2年生)
自分の読んでいる本が、時代を超えてのめり込む魅力を持っていることに、驚かされる・・・。
小説の深い魅力にたどり着いていますね。
そして、「アラミスが好きでした」は、アトスファンのオオバへの楽しい投げかけです。
もちろん『三銃士』について熱い返事を書かせてもらいました。
他にも、講堂朝会の感想には、私へのお勧めの本がたくさん書かれていました。
ぜひ読んでいきたいと思っています。
さて、中には、読書が苦手な生徒ももちろんいます。
私は正直読書が苦手です。小さい頃からあまり本を読む習慣がなかったせいか、本を読むのが驚異的に遅く、国語の長文読解などでとても苦労しています。西遠に入学してからは朝読書で「本を読む」という時間が毎日の学校生活の一部になったので、朝読書では物語を読むことが多くなり、物語を読むことには慣れてきました。が、伝記は本当に苦手です。最後まで読めたことがありません。でも、今回の講堂朝会で、大村智さんのノーベル賞をとるまでの生き方、考え方を聞いて、有名な人の歴史を知ることで、その人の生き方や考え方を知ることができ、自分の人生に影響を与えてくれたり、良い刺激を受けたりすることができるのだと知りました。自分自身の人生をより良いものにするために伝記を読んで人の考え方・生き方を知ることが大切だと思います。(3年生)
西遠には、朝の読書の時間があります。
毎日たった10分ですが、彼女は「物語」にまず慣れることができました。
そして、「伝記」への挑戦の大切さにも気づいてくれました。
いきなり伝記を読破するのは彼女にとってハードルが高いかもしれませんが、
だんだんと、或いは何かのきっかけで、新たな分野にも道が開けてくるでしょう。
高校受験のない3年生には、読書の幅を広げるチャンスも目の前にあります。
オーストラリア研修旅行にも、全員1冊は本を持って飛び立ちました。
空港の待ち時間などに集中して読むことができます。
もしかしたら、友達と本を交換して読み合うこともできるかもしれませんね。
6年間の学園生活の間には、本と出会うチャンスがたくさん用意されています。
焦らず、余裕をもって、図書館でのひとときも含め、本との出会いを楽しんでもらいたいと思います。