先人の言葉  6

「身だしなみ」の限度において、「おしゃれ」は尊い。

岡本富郎先生の言葉(「黄金の鋲」より)

「黄金の鋲」は、創立70周年の年に、岡本富郎先生が出された本です。
中には、富郎先生の愛した言葉、西遠生たちに伝えたい思いがたくさん詰まっています。

冒頭の言葉は、「おしゃれの哲学」というタイトルの文章の中にあります。
もう少し、文章をご紹介しましょう。
「自分を美しく見せたい」ということは、あなた方、若い女性には、大きな関心事だと思う。年ごろになっても、「みだしなみ」にとんと無頓着なのは困ったことです。けれども、それは、どこまでも「身だしなみ」の限度において、「おしゃれ」は尊いのです。
そこで、「おしゃれの哲学」というものがあるとするならば、「おしゃれの哲学」とは、「理性の裏付のあるおしゃれ」ということで、「無知なおしゃれ」や「独りよがりのおしゃれ」を否定するものです。それは、自分を美しくすることによって、相手に好感を抱かせ、好印象を与えるものでなければならない。これこそ、「エチケットとしての美しさ」でありましょう。
それは、女性は女性らしく、学生は学生らしい美しさです。学生の美しさは、どこまでも青春にふさわしい、溌溂(はつらつ)とした若さと、清潔と、簡素によって構成される美しさこそ、正しいものだと思う。「学生らしい美しさ」とは何か、おしゃれする前に、チョット考えてみて欲しいものです。

若さと、清潔と、簡素。
富郎先生のおっしゃる「学生らしい美しさ」の要素は、
決して古びたものではありません。
今の西遠生にも、立ち止まってかみしめてほしい。
「西遠魂」がこもった言葉だと思います。