女子校って面白い! 10

西遠生は、黄色いラインの制服をどう思っているのでしょうか。
11月の講堂朝会を終えて、高校生が提出してくれた集会記録には、こんな記述がありました。
☆研修旅行、とても楽しかったです!黄色いラインやくるみボタンを誉められて、とても嬉しかったです。(5年生)
☆太宰府に行った時、お店のおばさんに「また今年も来たのね」と言われました。年に一回しか来ないこの黄色いラインを覚えていてもらえたことにすごく驚いたし、何か嬉しく思いました。(5年生)
☆私もお店の人や街にいた人に、「この黄色いラインの制服、また来たのね」とか「マナーがいい」と言われることがありました。これは先輩が作り上げてくれたものだと思います。(5年生)
☆現地の方に制服のことで話しかけられたりすることがありました。中華街で買い物をしていた時、店員さんが「(西遠の子は)毎年来ている」と言っていました。西遠のことをとても誉めてくれたので、私もとても嬉しかったのを覚えています。(6年生)
☆長崎市内で、「おぉ、西遠の生徒さんだねえ、今年も来てくれたんだ」とおじさんに声を掛けられて、とても嬉しかったのを覚えています。(6年生)


研修旅行で訪れる九州の地で、黄色いラインが愛されていることは、
生徒たちにとって、制服への誇らしさを覚える大きなきっかけになっています。
そして、それが一朝一夕で言われることではないということも、生徒たちは十分承知しています。
研修旅行先での先輩たちの振る舞い方、言動の全てが、後に続く生徒たちを支えていることを・・・。

九州の皆さんの温かい言葉、温かい声掛け(もちろんお世辞もあると思いますが…)が、
西遠生の心を揺さぶり、
西遠生の愛校心を育ててくれています。
ありがたいことです。
訪ねた地で制服への誇らしさを覚えるだけでなく、日常生活の中でも、制服についてこんな発見をしている人もいます。
☆私は、西遠の制服が好きです。古くさいという人もいますが、昔から変わらない黄色のライン、くるみボタンのセーラー服は、かわいいと思います。小学生の頃は、帰宅途中などに「お帰り」と声をかけられることは知っている人からだけでしたが、西遠の制服を着てからは登下校中に知らない人から「おはようございます。行ってらっしゃい」など言われるようになりました。(4年生)
☆私は西遠の制服が好きです。理由は分からないです。でも、好きです。入学した時には、そんなこと思っていませんでした。気が付いたら結構気に入っていました。西遠での生活が楽しくなってきて、慣れてきたからかもしれません。制服を着ている時は、気分がシャキッとして、しっかりしなきゃとなぜか感じ、振る舞い方に気をつけるようにしています。卒業生の方の影響かもしれません。私はバス停やバスの中で西遠の卒業生のおばさまによく話しかけられます。卒業生の方は「おばさん」というより「おばさま」って言葉の方が合っているように、振る舞い方、お話の仕方が上品でした。おばさまは、私の負担にならないように程よく声を掛けてくださって、すごく素敵でした。私もいつか、ああなりたいと思いました。今の私は、制服を着ているから西遠生だと周りの人に判断されています。制服を着ていない時の私を見て、振る舞い方やしゃべり方が上品な子だな、きっと西遠の子だろうな、と思われるようになりたいです。(4年生)

制服を着ることで気持ちも引き締まり、
西遠の生徒であるという自覚を高めていきます。
そして、西遠の制服は、ご近所の方々や卒業生の皆さんから見守られているのですね。
ずっと変わらない西遠の制服。
特に、黄色いラインは強烈な印象を与えます。
ゴールデンイエローは、普通の黄色ではなく、
西遠のために作られた色なのです。
そして、くるみボタンは、
戦時中、絹の供出によってリボンなしの制服になった時、
新たに考案されたデザインです。
そのデザインが、戦争が終わって70年たった現在でも継承されています。
私自身、生徒の時にそのことを知り、「質実」の精神を感じたものでした。
そして、6年生からはこんな感想がありました。
☆制服を誉められるのも、やはり嬉しいものです。初めて身につけた時は、変わった制服だという印象しかなく、他校のリボンやブレザーに憧れも正直すごくありました。しかし、6年間着続けて、くるみボタンのかわいらしさや黒(紺)に映える黄色いラインの素敵さに気付き、この制服で良かったと、最近はしみじみ感じています。この制服を着られるのもあと数カ月だと思うと、淋しい気持ちになりますが、最後のこの冬を大事に着たいと思います。
他校の制服に憧れる時期があって、
それでも着続けているうちに、
制服を誉められ、
次第に制服が与えてくれるものに気づいていくのですね。
そして、制服との別れが近づいてきた6年生にとっては、
「最後の冬」に思うところもあるでしょう。

制服に代表されるように、
ずっと変わらないことで育まれる
「愛校心」や「誇り」も、
女子校の大きな特色であり、
魅力ではないでしょうか。