NHK大河ドラマ「花燃ゆ」が終わりました。
視聴率も芳しくなく、盛り上がりに欠けてしまった今年の大河ですが、
明治を迎え、群馬での生活が中心となってからは、
女子教育や女性の地位などについて考えさせられる場面が多くあり、
数年前の「八重の桜」同様、印象的なシーンにたくさん出会いました。
「農家の女性に教育は不要」
と考える人々に、
「子どもに最初に教えるのは母親です」
と答える主人公 楫取美和。
最終回のこのシーンでは、
西遠の建学の精神「婦人の中に未来の人は眠れり」
を重ねずにはいられませんでした。
明治という激動の時代、旧来の価値観やモラルの中で、
女子に教育をと考える人々は少数派であったことでしょう。
ここ浜松の地で、109年前に岡本巌という一人の男性が、妻の欽と共に蒔いた女子教育の種。
育て上げるのにどれほどの苦労をしたことか、今の我々からは想像も及ばない程の苦難があったろうと思います。
「幾度か辛酸をなめて志いよいよかたし」
老校長の胸像に刻まれているのは西郷隆盛の言葉です。
その言葉を胸に、いくつもの試練を乗り越え、巌先生は西遠女子学園の根を堅固なものにしていったのです。
大河ドラマを見ながら、西遠の始まりにも思いをはせた私でした。
大河ドラマは、「幕末ものは視聴率が取れない」とか「女性を主人公にすると視聴率が伸びない」などと言われています。
確かに、知名度の低い女性を発掘して主人公にすることは無理があるのかもしれませんね。
また、幕末の歴史は複雑なので、分かりにくく、敬遠されるのかもしれません。
そこに、脚本、演出、演技力などなど、絡み合う要素はいろいろあります。
今回の大河ドラマに不満を感じた点も、実は多々ありました。
(大河ドラマを小さい頃から見続けていますので、かなりコアな大河ファンですから。)
しかし、視聴率という数字には表れないところで、
幕末から明治への歴史的大転換を女性がどう乗り越えていったのかという点では、
大変興味深い「新しいドラマ」でありました。
新島八重、楫取美和・・・大河ドラマになるまでほとんどスポットも当たらなかった女性たちです。
明治初期の女性たちがどんな生き方をしたのか、興味が広がっていきます。
来年の大河ドラマは「真田丸」。
そして、再来年は、地元が舞台の「女城主 直虎」です。
戦国時代の女性の生き方も、また面白い!
できれば、視聴率の雑音など気にしないで、
歴史の真実を追求した骨太の大河であってほしいと思います。