オーストラリアの足音

今日でテストが終わった生徒たちです。
(が、高2だけは、1科目だけが明日まで残っていて、今夜もテスト勉強に苦しんでおります。)
テスト終了を待って、中学3年生の親子PTAが行われました。
西遠6年間の中でも一番忙しいと言われる中学3年。
パフォーマンス大会で姉妹パフォのリーダーを務めたかと思えば、
パネルディスカッションに挑んで、初めての学園祭HR展のテーマを決め、
夏休みには部長面接(これが高校生になるための関門1)、
夏休み明けには学力判定試験(これが高校生になるための関門2)、
倒れる間もなく(笑)学園祭準備、学園祭。
そして11月には一番大きなイベント「3年オーストラリア研修旅行」が待っているのです。
・・・・・
列記も大変だから、このあとのイベントは省略しますが、ここまででずいぶん忙しい学年だということがお分かりかと思います。
そんなに多忙な3年生。
本日のPTAでは、オーストラリア研修について詳しい説明が行なわれました。

保護者の皆様には通路より後ろにお座りいただいて、生徒は前方にクラスごとに着席。
先生や旅行社の方からのお話を生徒も真剣に聞いています。
保護者の皆様には、ようやくオーストラリアの準備が始まったか、という思いを持たれたことと思います。
夏休みの間に、パスポート準備や夏の洋服の準備(何せ11月、オーストラリアは初夏です!)をお願いしなくてはなりません。
3年生には、英語の力をつけてもらうことはもちろん、研修旅行に旅立つまでに成長しなくてはならないことがたくさんあります。
積極性や、コミュニケーション力、体調管理、ポジティブシンキング…。
ペアの友人と向上心を持って協力できるように、自分のわがままを抑え、思いやりを持つことも大事です。
シドニーのファミリーやバディに披露できるように、母国「日本」についてもしっかりと勉強しておかなくてはなりません。
最初のオーストラリア訪問学年でクラス担任をしていた私は、自分も行ったことがない土地に生徒とともに行くということで、かなり緊張していたことを思い出します。
もちろん生徒も心配事だらけで、不安そうな、というか悲壮感まで漂う旅立ちでした。
名古屋空港で金属探知機が鳴ったとたんに泣き出した生徒もいましたっけ…笑。
今は、先輩たちにいろいろ聞きながら準備することができます。
姉妹ピア活動の中で、先輩から後輩へ有益なアドバイスをもらうことができますから、幸せです。
でも、一方で緊張感が薄れてしまう、ということは怖いことだと思っています。
第1陣としてシドニーを訪れた3年生たちは、「自分たちが失敗したら、次の学年からオーストラリア研修がなくなるかもしれない」という悲壮なまでの責任感を持って旅行に臨みました。
だから、時間にも敏感でしたし、注意される前に気付こうと、級友たちで声を掛け合っていました。
おどおどしていちゃだめだから、と勇気を出して訪問校の生徒に英語で話しかける姿もありました。
もちろん、愛すべき失敗もハプニングもありました。
ホテルの朝、いくら起こしても起きなかったMさんたち(叱られて、朝食抜きになりました)、
牧場でブーメランを投げ、拾いに走って転んで羊のフンと仲良くなっちゃったAさん、
免税店のレシートがない、と血相変えて探し回ったYさん(あったと分かって小躍りした彼女がビデオに残っています)、
中でも、一番のハプニングは、フェザーデール動物園でコアラとの記念撮影中に、Kさんがコアラに頭をパチンと叩かれたこと!
・・・思い出は尽きませんね。
そんな内容の濃い1週間のシドニー滞在を終えて帰る時の彼女たちは、
旅行が楽しかったという感想だけでなく、
最初の学年として責任を果たし、ひとつの行事をやり遂げた、という満足感や達成感でいっぱいでした。
ペアを組んだ友人とは、英語を話して協力して生きていかなくちゃいけないという究極の環境の中で、絆も堅固になりました。
クラスの団結力も、この1週間で本当にパワーアップしました。
まだメールとかSNSなんて考えられなかった時代、ホストファミリーや訪問校の友達に、帰国後、一生懸命英語で手紙を書き、文通を始めました。
出会いを大切に考えることもまた、最初の学年が心がけたことでした。
そして、英語で話す喜び、海外の文化を知って広がった視野、新しく生まれた夢…。
一生懸命の中から、たくさんの宝物を得た彼女たちでした。
そんなかわいいパイオニアたちのことも頭の片隅に置いて、中学3年生にはオーストラリア研修の準備を始めてほしいなと思います。
ひたむきに準備して、真剣に旅行に臨むからこそ、得られるものも大きいはず。
オーストラリアの足音が聞こえ始めた3年生たちの、ここから旅立ちまでの成長、とても楽しみです。