戦争体験を語り継ぐこと

西遠の卒業生や関係者の方々から戦争体験をうかがうということを、昨年から始めています。
戦後70年を過ぎて、なかなか身近に戦争体験を語ってくださる方がいなくなってしまった、という生徒や保護者の方々からの声もありました。
一方で、殉難学徒慰霊式等の西遠の行事をめぐって、関係の方々からお電話などご連絡をいただく機会が私自身には増えました。
戦争体験を聞く機会はあるのに、個人で探せなくなっているのかもしれない、
そしてお話をしてくださる方はきっといらっしゃる・・・、
そんな思いから、西遠の公式ホームページ≪学園概要≫の中に、昨年「戦後70年ー西遠の記憶」というコーナーを開設したのでした。
今年も、3名の卒業生の方々に、自らの戦争体験と平和への思いを語っていただきました。
暑い夏の日に、母校までいらしてくださって、貴重なお話をお聞かせ下さった伊藤様、吉田様、三輪様。
その後、編集作業に手間取ってしまい、お三方にはご心配をおかけしてしまいました。
このたび、ホームページにて、公開を始めることができましたので、お知らせ致します。
お一人目は、伊藤様。
昨年の1年生の中には、伊藤様のお話を校長室で聞いた記憶のある人もいるでしょう。
飯田小学校のお近くにお住まいで、空襲の被害を受けたというご体験などを今回も聞かせていただき、文章にまとめさせていただきました。

くちなしで黄色いラインを染めたというお話もあり、戦後のご苦労も感じることができました。
詳しくはこちらをご覧ください。
2組目は、動員学徒の同級生である吉田様と三輪様です。

殉難学徒29名の中には、お二人のお友達もたくさん含まれています。
工場での作業の様子、昭和19年12月に起きた大地震のこと、そしてお二人の入学式の時にはご存命でいらした岡本巌先生のことなども、興味深く聞かせていただきました。
ぜひ、こちらもお読みください。
伊藤様、吉田様、三輪様、掲載に関しまして多大なご協力をありがとうございました。
高校2年生は数週間前、長崎で和田耕一さんから原爆のお話を聞き、涙して帰ってきました。
戦争体験は、聞けなくなったからもういいということは決してありません。
私たちは苦労してでもそうしたお話に耳を傾け、
直接聞けないのであれば、書かれたものやビデオに収めたもので、きちんと「戦争」「空襲」「原爆」というものについて知っていかなくてはならないと思います。
「戦後70年ー西遠の記憶」が、少しでもそのお役にたてればと思います。