5月の3連休がすべて晴天という年は、最近あまりなかったように記憶します。
浜松祭も滞りなく、雨もなく、大いに盛り上がる最終日でしょう。
浜松のはずれの、浜松祭とは無縁の町の連休は、長閑に静かに過ぎていきます。
庭の花々をカメラに収めつつ、短歌や俳句を思い浮かべておりました。
(自分で作れないので、名歌と名句でごまかす…笑)
我が家の藤棚の藤は、なかなか垂れてくれません。
しかし、今年は庭屋さんの剪定(せんてい)により、少し花房が垂れました。
瓶に挿す藤の花房短ければ畳の上にとどかざりけり
正岡子規は病床にあって、藤棚を直接見ることかなわず、
ご家族によって床の間に飾られた藤の花房を見てこの短歌を書いたのでしょう。
我が家の藤の花房も大変短いので、
ついつい「藤の花房短ければ」の部分を思い出してしまいます。
今日の藤棚は、青空がきれいで、青葉も日の光をたっぷり浴びて緑色が美しく、
こんな俳句を思い起こしました。
あらたうと青葉若葉の日の光
これまた日光の美しさを詠んだ芭蕉の句とはまるで違うシチュエーションですが、
青葉若葉が日の光を浴びていると尊さを感じてしまうのです。
たんぽぽの綿毛を見つけました。
綿毛を詠んだ句はないのかな、と探しましたら、
素敵な句が見つかりました。
たんぽぽのぽぽと絮毛(わたげ)のたちにけり
たんぽぽの絮(わた)吹いてをる車掌かな
最初の句、「たんぽぽ」の「ぽぽ」を擬音にして綿毛を詠むなんて、言葉の想像力ですね。
2句目は、何だかローカル線の車掌さんを想像して、まったりしてしまいました。
最後に、我が家のプランターに矢車草が一輪咲いたので、アップします。
矢車菊(ヤグルマギク)ともいうんですね。
矢車は、鯉のぼりの矢車から、と。
ちょうど5月5日にふさわしい日に咲いたんですね。
この花の季語は夏。
そろそろ夏、でしょうか。
清貧の閑居矢車草ひらく