明日、殉難学徒慰霊式が行われます。1945年4月30日、そして5月19日の浜松への爆撃で、若い命を落とした29名の動員学徒と引率の先生お一人。その死を悼み、平和への誓いを新たに、殉難学徒慰霊式は毎年続いています。放課後の講堂では、中高生徒会の執行部と、「平和の作文」を朗読する生徒たちが集まり、舞台の準備やリハーサルが行われていました。
白い布で包まれた山台、そして、「愛の灯」像のスケッチ。今週全校で折った千羽鶴も飾られました。少ない時間と人数でできる準備が、今年の慰霊式を実現させます。「できるだけ」のことを「心」を込めて行う…その原点に戻って、式の意味をかみしめ、臨みたいものです。
6月6日の講堂朝会(1・3年生対象)の感想をひとつご紹介しましょう。
◎1年生の頃は「愛の灯」の歌もうろ覚えだったし、よく分かっていませんでした。今はしっかりと歌も覚えたし、意味についてもよく理解しています。でも、コロナの関係で、この学校でもいろいろな式がなくなってしまって、慰霊式もなくなってしまうのかなと思っていました。慰霊式はやることができると聞き、とてもよかったなと思いました。いろいろな行事や式典がなくなってしまい、1年生もまだこの学校のことがよくわからないだろうと思います。だから、この慰霊式を通して、1年生が少しでもこの学校に慣れて、理解していけたらいいなと思いました。(中学3年)
慰霊式が行われることを「よかった」と思ってくれる生徒の反応をとても嬉しく、そして頼もしく思いました。新入生への思いも、先輩としての思いやりに溢れていて、そこにも感激しました。
1年生の皆さん、公立中学から入学した高校1年生の皆さん、初めての慰霊式ですね。西遠の「平和教育」の原点がこの式にあります。
6年生の皆さん、生徒として最後の慰霊式です。今年皆さんにとって、最後を飾るべきいろいろな行事が中止になってしまいました。悔しく、悲しい思いを抱いている人も少なくないと思います。その皆さんが、後輩たちに慰霊式を通じて残せるものは何でしょう。研修旅行先の長崎で渇水高校の皆さんと意見交換をし、在校生の中にあっては一番平和について議論し、考えてきた皆さんの姿勢が、後輩に受け継がれるよう、心から願います。
明日の慰霊式、それぞれの生徒が何か心に深く感じるものがあってほしいと思います。明日、慰霊式をNHKが取材してくださいます。NHKのお昼12:10と夜18:45の県内ニュースでこの模様が流れる予定ですので、どうぞ皆様ご覧ください。(慰霊式のニュースが吹っ飛ぶような悲しい事件などが起きませんように。)