インターネットでふと見つけた詩人の谷川俊太郎さんのインタビュー記事。タイトルは、「スヌーピーと育ったすべての大人たちへ。」。 HUFFPOST 2019年11月26日 竹下隆一郎さんによる谷川さんのインタビューを、半年以上たって見つけたオオバでした。→記事はこちらです。
まさしく私は「スヌーピーと育った大人」の一人。特に10代はスヌーピーの漫画に囲まれて過ごしました。我が家は原則マンガ禁止の家庭でしたが、この4コマ漫画は例外でした。近所の本屋さんに行けば回転式のブックラックから1冊300円以内で買える楽しい娯楽。1から順にそろえようというのではなく、気に入った表紙の絵やタイトルを見比べて、どれを買おうか楽しく悩んだものでした。その結果が、今も我が家に残っています。
谷川俊太郎さんの訳に親しみ、我が家の流行語もこの本から生まれていた時代もありました。私はスヌーピーの家(犬小屋、というと彼のプライドが許さないと思います)の中が実は無限大の広さだということが面白くて、特にゴッホの絵を持ってることが彼の文化度の高さを誇るようで、とてもお気に入りでした。だから、次のこの本が出た時にはちょっとショックで…。
突然の火事に憔悴するスヌーピーに心を痛め、チャーリーブラウンにおうちを建て替えてもらってうれし涙をポロリとこぼすスヌーピーがとてもキュートな巻でした。
自分を犬だと思っていないスヌーピー、初恋の女の子にも気づいてもらえない、ドジなチャーリーブラウン、チャーリーブラウンの妹で皮肉屋で自信家のサリー、いばりんぼでどこまでも我が道を行くルーシー、その弟で哲学的だけれど、毛布を奪われると正気をなくすライナス。みんな欠点があって、面白いのです。記事によると、谷川さんのお気に入りはウッドストック。セリフがないからだそうです(笑)。
昨年冬から約1年かけて河出書房から出版されているスヌーピー全集。全巻買い揃える元気はありませんが、日本で出版されてから50年以上ということは、私と同世代がいっぱいこの全集を買っているのでしょう。みんな違ってみんないい、そんな登場人物たちと出会えたことは、私の10代を楽しく豊かに飾ってくれましたし、今も和みを与えてくれる宝物です。