広島原爆の日に 2

今朝は、自宅で広島の「平和記念式典」を見ました。8時15分に黙とうを捧げ、広島市長の平和宣言と小学6年生の子ども代表による「平和への誓い」を聞いてから学校に来ました。テレビでは、総理大臣の挨拶が終わると式典の中継が終わってしまいますが、NHKラジオではそのまま中継が続きます。カーラジオに耳を傾けながら、いつもの道を車で進みました。

広島市長の「平和宣言」では、「核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いを誠実に受け止めて同条約の締約国になってほしい」という国への願いが述べられました。ラジオで聞いた広島県知事の言葉にも、その思いが切実に感じられました。75年たっても核兵器がなくならなかったことは未来の人々に無責任だと言われることだ…表現はもう少し違ったかもしれませんが、「現在の私たちの行動は未来の人々にどういう評価を下されるのか」という視点は、皆が持ち合わせなくてはならない視点だと思いました。

こどもたちは、コロナ禍により、当たり前の日常は当たり前ではなかったことに気づかされたと述べました。純粋な訴えが響きました。二人とも真っすぐ前を向いて、凛とした声で作文を朗読(完全に暗唱)していて、その姿には広島に育つ子供たちを代表しているのだという使命感を感じました。

75年の間、草木は生えない、と言われた原爆の威力。しかし、その予言は外れ、被爆地に緑があふれる今日。今の広島の当たり前は、決して75年前には考えられなかったでしょう。原爆投下の惨状の中で、最初に緑の芽吹きを見た人は、心にどんな希望を宿したでしょう。その緑を絶やすまいと努力した名もない多くの人々の地道な行動を想い、頭が下がります。

日本が唯一の被爆国としての使命を果たし、毅然として核兵器禁止条約の締約国になってほしい。広島、そして長崎の人々が味わった恐怖と苦痛をどの国も味わうことがないように。…暑い夏の朝、平和式典を見て、聴いて、切実に思いました。

浜松の映画館シネマイーラの「終戦75周年」特集。良い映画が目白押しです。

8月9日の長崎の平和式典もテレビ中継があります。日曜の午前11時。どうぞ覚えていてください。