13日、西遠も関連する2つの終戦特集のニュースが放送されました。ご覧くださった皆様、ありがとうございました。テレビ局の皆様にも御礼申し上げます。
「とびっきり!しずおか」の終戦特集では、「語り継ぐ戦争の記憶③」として、動員学徒として工場で働き友を爆撃で失った牧尾和子さんのインタビュー、曽祖父の戦争体験を取材した高校生のインタビューが流れ、 殉難学徒の名前が刻まれた「愛の灯」像、コロナの影響で縮小された今年の慰霊式、毎年行われてきた中学1年生の「戦争体験者への聞き取り」活動、などが紹介されました。
「News Every 静岡」では、「伝 戦争の記憶」のシリーズ最終回として、「コロナ禍の語り部 活動模索」と題して、浜松市遺族会の取り組みを特集しました。浜松市遺族会の稲田会長さんの遺骨収集活動や亡きお父様への思い、今年語り部としての活動がコロナの影響で一件もできないことが紹介され、西遠の殉難学徒慰霊式と体験取材もまたコロナによって縮小せざるを得なかったことが報じられました。
「とびっきり…」で紹介された牧野さんには、2017年に同級の皆さんにお集まりいただいて、皆様の戦争体験を取材させていただきました。その様子は、西遠公式ホームページの「殉難学徒同期生の皆さんに聞く」で紹介させていただいています。
中学1年生は、毎年、西遠に入ってすぐに「戦争体験者を取材し、平和の作文を書く」という最初の宿題に挑みます。年々、身近な戦争体験者を見つけられない生徒たちのために、学園では、浜松市遺族会の皆様や卒業生の皆様にご協力をいただいています。
ホームページの「戦後70年 西遠の記憶」で、伊藤様の「戦争体験を聞く」、大中様の「戦争体験を語る」がそれぞれお読みいただけます。
西遠の最初の宿題「戦争体験者を取材し平和の作文を書く」で、12歳の少女たちは拙いながらも作文に取材内容と自分の思いをまとめます。そして、その代表の一編が毎年、慰霊式で発表されます。
生徒による戦争体験者への取材は、コロナとそして戦後75年という年月により、困難の度合いが増しています。しかも、中学1年生にとっては、こうした課題の意味や意義は深くは伝わらないかもしれません。ご家族を巻き込んでの取材活動も、決して軽くない課題です。
しかし、特集の中で高校生になった高井さんが「私たち世代が戦争体験を聴ける最後の世代」としてその重要性を語ってくれていたように、西遠の平和教育の「宿題」は一人一人の生徒の人生観や戦争観というものを確実に変えていくことを信じて、これからも困難を乗り越えてこの「宿題」を続けていかなくてはならないのだと思います。
明日は終戦の日。75年という節目に、12時の時報と共に、平和が続くこと、「戦後」という言葉がこれからもずっと続くことを心から願って黙とうをささげたいと思います。そして、「太陽の子」をはじめとする終戦特集の番組も、できる限り観たいと思います。