萩原朔太郎曰く
「ふらんすに行きたしと思へども/ふらんすはあまりに遠し/せめては新しき背広を着て/きままなる旅に出でてみん。」(「旅上」より)。
今日のオオバは、
「京都へ行きたしと思へども/京都はちょっとばかり遠し」の気分で、
秋野不矩美術館に「特別展 日本画 こころの京都」(後期)を見に行ってまいりました。
訪問先のN先生に薦められてから、ずっとずっと行きたかったのですが、なかなか時間が取れず、今日ようやく実現しました!
この前は、秋に来たなあ、と思いながら、駐車場から坂を登ります。
初夏の美術館周辺には、季節の花が咲いていました。
美術館にたどり着くまで、野の花にうっとりできるのが、この美術館の特徴ですね。
ヒメジョオン
ホタルブクロ
ナツツバキ
アジサイと秋野不距美術館
こうやって見上げる先にある美術館の独特のたたずまい。
日本なのに、秋野不矩さんが愛したインドの風情もあり、不思議な安堵感を醸し出しています。
建築家 藤森照信さんの設計です。
藤森さんの「タンポポの綿毛」という連載、かつて朝日新聞で読んでいましたっけ。
この美術館を訪ねるたびに、自然と一体化したこの建物、というか、この山一つ、大きな一個の作品なんだなあと思います。
ウグイスの鳴く声が聞こえ、ほかの鳥の声もするなあと思っていたら、数羽のシジュウカラが木々の中をせわしなく羽ばたいていました。
花が咲き、鳥が鳴き、モンキチョウも飛んでいました。
虫取り網を持った少年もいました。
懐かしい日本の風景だ…。
さて、美術館で今行われている「日本画 こころの京都」というのは、京都府が京都在住または京都を活動の場としている日本画家の方々に依頼したもので、京都市内の神社仏閣にとどまらず、丹波から宇治まで、「京都」の様々な生活や自然が描かれた日本画が勢ぞろいしています。
一言で日本画と言っても、様々な風情の作品があって、芸術の幅の広さを感じました。
会場では、偶然、N先生にもお会いできました。
N先生、薦めてくださってありがとうございました!!
「こころの京都」はどれも素晴らしい作品で、立ち去りがたい思いに駆られます。
古都好きな両親も連れてくればよかったなあと思うことしきり。
しかも今日見たのは後期の作品ですから、「前期」に展示された半分は私も見ることができなかったわけです。
では・・・、と、清水の舞台から飛び降りるつもりで(京都なだけに)「図録」買いました!
帰宅してから、この「図録」で今日の美術鑑賞の余韻を楽しんでいます。
次は、磐田市香りの美術館で「星野富弘 花の詩画展」に行きたいです!(18日まで!!)