西遠は、夏休みも最終盤に入りました。明日、明後日と先生方の研修と会合があり、27日から登校再開、「授業初めの式」です。オオバの夏休み読書日記もこの一冊が最後かな。もう一冊読みかけはあるのですが、あとから読み始めたこの本を今日は紹介します。
直木賞受賞作の「少年と犬」(馳星周著 文芸春秋)を読みました。
小学生のころ、「名犬ラッシー」の本が大好きで、図書室で何回も何回も借りては読み、宿題の日記は犬の話題で満ちていて、ついには担任の杉山先生に「犬の話題禁止」を通告されてしまった悲しい過去を持つオオバ。2013年に愛犬が死んでから犬を飼うことに臆病になってしまい、犬のいる生活から離れてしまいましたが、この「少年と犬」を読み終わって、久しぶりに犬を撫でたい、犬に触れたいという思いが沸き起こっています。そして、久しぶりに本を読んで泣きました。暑さ対策で首から垂らしていたスポーツタオルで、まさか涙をぬぐうことになるとは、想定外でした…。
主人公の犬は多聞(たもん)という名がつけられていました。「男と犬」「泥棒と犬」「夫婦と犬」…と、章ごとのタイトルが、 多聞と人々との出会いを端的に示しています。 東日本大震災直後から始まるこの小説は、多聞の旅路の記録でもあります。たくさんの人々と出会うこの小説のタイトルが「少年と犬」であるのも、最後まで読めば心から納得できます。
多聞は、 人の心がわかるのかと思うほど、出会った人々の心に寄り添う犬。 登場する人々は、どちらかというと、社会の中でうまく生きられず苦しんでいる人々が多く、中学生が読むにはちょっとダークかなと思いますが、決して難しい本ではありません。犬好きの人ならば数時間で読み終えることができるでしょう。
最近「猫派」に傾きつつあったオオバですが、「多聞」と出会ったおかげで、今かなり「犬派」に戻っております。