講堂の南、青い屋根の建物が建っています。
私たちが、「静思堂」と呼んでいる建物です。
この建物で行われる「静思堂指導」は、西遠の一員として、倫理・哲学・宗教を学ぶことを大きな目的としています。
中学1年生から高校3年生まで、クラスごとに静思堂に入って、学園長の岡本肇先生より、学園の歴史や精神、宗教や倫理・哲学のお話を伺うのです。
今日は、中学1年生の授業を後ろからそっと見学させていただきました。
1年生の座る椅子には、前の座席から小机がパタリと下りてくるようになっています。
そこに開かれているテキストは、西遠の100周年記念誌です。
ここで、中学1年生は、「西遠の歴史」を学園長先生から教えていただくのです。
ふだんの教室とは違う雰囲気、そして全く違う座り心地もあってか、
1年生、ちょっぴり、いえいえ、かなり緊張しているように見えました。
創立者岡本巌先生のご苦労や女子教育への思いが伝わったことでしょう。
毎日通う西遠という学校がどういう経緯で始められたのか、理解が進んだと思います。
静思堂の外には、紫陽花が美しく咲いていました。
そして、図書館南に回ると、ネムノキにピンクの花が…。
学園長先生が、「皆さんは花の名前を10個言えますか?鳥の名前はどうですか?魚の名前は言えますか?」と中学1年生に尋ねていらっしゃいました。
花を「あ、花だね」という大人になるか、
「あ、ネムの花が咲いた」と言える大人になるか、
建学の精神「婦人の中に未来の人は眠れり」の教えはすでに始まっているんだよ、と学園長先生。
そんなお話を聞いたばかりの生徒たちは、きっと花や鳥や魚の名前をこれからたくさん覚えていけると思います。
静思堂、この静謐な空間は、人生に大きく語りかける場所でもあります。