梅雨の晴れ間の今日6月23日は、沖縄慰霊の日です。
今から72年前、沖縄戦で20万人以上の住民の方々が亡くなりました。
8月6日、9日、15日と並んで、今日6月23日を忘れてはならないと思います。
今日、私はちょうど出張からの帰路、カーラジオで、慰霊式典の中継を聞くことができました。
翁長沖縄県知事の「平和宣言」に続いて行なわれたのは、高校生による詩の朗読でした。
「誓い~私達のおばあに寄せて」という詩を書き、静かに朗読したのは、宮古高校の上原愛音さんという女生徒。
西遠の生徒たちと同世代の高校生が書きあげた詩は、かなりの長編でした。
沖縄戦の悲劇を聞き、調べ、詩に昇華させた彼女の卓越した表現力に感嘆しながら、
私はラジオに耳をすましていました。
おじいやおばあが、戦争中どんな悲惨な体験をしたのかということを、自分の今朝の朝食の幸せから想像し、再び現代の沖縄に視線を戻し、沖縄戦を「脈々と流れ続ける確かな事実」として、平和を希求する思いを継承しようと誓う・・・。
彼女の一言一句を噛みしめるように読む声に引き込まれました。
詩の終盤、彼女は、「おばあ だいじょうぶだよ」「おじい だいじょうぶだよ」と語りかけました。
聞いていて、涙がこぼれそうでした。
ニュースでは、もしかしたら彼女の詩は紹介されないかもしれない、
紹介されても一部しか放映されないでしょう。
ぜひ、新聞で、インターネットで、彼女の詩の全編を読んでほしいと思います。
幸運にも私は、ラジオの中継でそれを全編聞くことができました。
平和を誓う10代の力強い詩に、心から感銘を受けました。
学校へと向かう車窓、アジサイやアガパンサスの花を見かけ、
こうして花が咲き、それを眺められることも、平和だからこそなのだと思いました。
西遠でも、戦争について調べ、平和について考える機会があります。
これは、終戦から72年が経った現代において、珍しいことなのかもしれません。
8月15日が何の日であるのかさえ知らない若者もいると聞きます。
しかし、全国には、沖縄戦の悲劇を語り継いでいこうと訴える沖縄の高校生も、
広島や長崎で原爆の悲惨さを訴える活動を継承する高校生もいます。
平和を想う若者たちが、ここにもいる…
今日は、平和の継承を力強く誓う高校生の詩に、大いに励まされました。
そして、西遠の生徒たちにも、
浜松の空襲のこと・西遠の先輩の殉難のことだけでなく、
広島・長崎・沖縄・そして世界で起こった様々な悲劇について、
しっかりと学び、考えていってほしいと、改めて思いました。