オンライン学園祭への道 その12

10月3・4日に開催された「西遠オンライン学園祭2020」。その「第1章」開催当日までの道のりを振り返るシリーズ、今日は、「 部活展の挑戦 」を振り返ります。

ダンス部の苦悩と挑戦

教員と保護者・関係者による投票で決定した「部活動賞」には、「ダンス部」が選ばれました。学園各所でエネルギッシュに踊る動画を作成したダンス部の挑戦には、

  • 学園内を躍動感のあるダンスでいきいきと表現していて良かったです。
  • ダンス部の編集動画は本当に素晴らしい作品になったと思います。学内の風景と制服で踊る姿は卒業生達にも懐かしく楽しめるものになったのではないでしょうか。とても良かったです。
  • 今の状況の中での練習は大変だったと思いますが、すぱらしい演技に仕上がっていたと思います。がんぱったねと褒めてあげたい。
  • ダンス部の動画が通常の講堂での発表とは全く違ってオンライン学園祭にふさわしい内容でとても面白かったです。

などのコメントが寄せられました。ダンス部の動画はNHKのニュースでも一部放送され、大きな反響がありました。

毎年「舞台で踊る」という完成形を目指すダンス部が、こうした動画を作り上げることを決意し、実行するまで、かなりの葛藤があったことは、想像に難くありません。先輩たちが積み上げた形を継承することは価値観の継承でもあり、部活動ではとても重要視されます。例年と同じことができない、という挫折にも似た思いに加え、著作権の関係で好きな曲も使用できず、彼女たちは大きな壁に囲まれていました。何度か涙目で「直訴」も受けました。私も「壁」として立ちはだかりながら、彼女たちの「何とかして突破したい」というエネルギーをひしひしと感じました。

ですから、あの動画は、ダンス部の苦悩の末の笑顔なのです。9月初めの休日から、彼女たちは学園各所で練習と撮影を繰り返していきました。正門での撮影の際には、みんなで掃除をして落ち葉を掃き清めました。

講堂の舞台を使うのとは違う「ステージ」がそこには待っています。新たな歴史を刻むための作業に、部員たちは黙々と励みました。そして、撮影は何度も何度も繰り返されました。

部活展「ダンス部」の本文にも、この動画は「撮影,編集,振付,すべて最上級生である高校2年生が手掛けました。」とあります。生徒たちが自分たちで課題を探究し、解決したのです。学園祭で生徒たちが成長していく姿は、HR展で毎年見られますが、今年の学園祭では部活動の生徒たちもまた、苦しみながらも自分たちの新しい発表の形を完成させました。

それぞれの部活が新しい形を創造

オーケストラ部は、講堂以外の場所で演奏する様子を撮影しました。

1年生の演奏する姿も、とても頼もしいものでした。一人一人の部員の努力が、オンライン学園祭で実を結びました。

百人一首部の技の解説は動画にも工夫があり、とても勉強になりましたし、ギタマンと琴のそれぞれの「パプリカ」演奏も趣がありました。茶道部の茶会、書道部のパフォーマンス、歴史研究部の部活史、高校テニス部の「あるある」、プログラミング部の楽しいゲームなど、様々な部活動のチャレンジが光る「オンライン部活展」は、永久保存版だなと思っています。

審査にあたった方々からのコメントをもう少し紹介しましょう。

  • 【茶道部】学園長先生のお祝いの動画がとても素敵で見入ってしまいました。琴の音色と共に美しい所作や茶花・お軸・器などの説明を受け、これぞ日本のおもてなしの心、日本の文化の素晴らしさを感じました。こんなこだわりの器もあるのかと感心も致しました。素敵な時間を私も共有できました。
  • 【琴部】琴=和のイメージでしたが、「パプリカ」とっても素敵でした。感動しました。
  • 【書道部】 一人ひとりが、気持ちを込めて書き上げる姿が素晴らしいと思いました。
  • 【生活探究部】「我が家の特製レシピ」は、すぐに作れそうで参考になります。
  • 【百人一首部】すごかった!スーパースロー映像が最高!
  • 【オーケストラ部】オケは、女の子のしなやかさ、滑らかさが演奏に現れていたと思います。1年生は、たった4ヶ月で、上達に時間がかかる弦楽器をここまで弾けるようになって素晴らしいです。音程もバッチリです。
  • 【ギター・マンドリン部】演奏の素晴らしさはもちろん、楽器の紹介も詳しくて分かりやすくて良かったです。

HPの裏にある彼女たちの葛藤と成長を、皆様も想像しながら、「オンライン学園祭」の部活展をどうぞもう一度ご覧ください。