「中高一貫校に育つということ」シリーズ

中高一貫校が全国的にも大変増えている中で、一貫校に育つことのメリットはどんなところにあるのかについて、数々の書籍や雑誌にも掲載されています。「高校受験がない」「将来を見通した指導が可能である」「授業の先取りができる」などなど。

西遠の場合、生徒はどんなところから「中高一貫」の良さを実感しているのだろうという観点で、今日は、「おばんです!」の中から「中高一貫校に育つということ」のシリーズをご紹介したいと思います。

2018年の秋、高校生に対して行った講堂朝会で、私は「中高一貫校の高校生としてどうすべきか」を生徒に投げかけました。その朝会に対する感想をまとめたものが、このシリーズです。2018年11月25日から27日までの3回連載の「中高一貫校に育つということ」シリーズその1その2その3をぜひお読みください。

シリーズの中から、高校生の感想文をいくつか抜粋してみましょう。

☆西遠では姉妹の活動が盛んで、私はそこがとても好きです。1年生の時、18歳という、その当時の私からすればとても大人の先輩と接する機会である姉妹掃除や部活動は、あまり経験できない貴重なものでした。高2になった今では、歳の離れた後輩と接することのできる楽しい時間です。これらの活動を通して得たものは、本当にたくさんありますが、中でも、コミュニケーション力と、相手のことをしっかり考える力が、少しでもついたことが、一番の収穫です。高学年になってから思うのは、後輩は先輩をしっかり見ているということです。それは非常にプレッシャーでもありますが、同時に自分自身を見つめ直した出すことのできる良い環境だと思います。

☆私が中学1年生の頃は、高校3年生の先輩はとても遠く離れた存在でした。しかし、一緒に掃除をしたり活動したりしていくうちに、少しずつ自分との距離が縮まり、近くに感じることができました。そして、先輩方からはたくさんのアドバイスをもらったり、初めて知ることがあったりして、とてもありがたかったです。とても楽しく、良い経験になったので、自分も今、先輩の立場にあって、いろいろなことを教えてあげたいと思います

☆私はまず「中高一貫」と聞いて、部活動での自分を思い浮かべました。学年が上がるにつれて、年下の子たちの指導をする立場になっていくシステムなので、中学1,2年の時には、先輩がとても大人でしっかりして見えて、自分もああなりたいなどと良く思っていました。しかし、3年になると、自分たちも中学生をまとめなければならない立場になったせいか、先輩の良い所を意識して探し、自分に取り入れようとしていくようになりました。こうして考えてみると、後輩は本当に先輩のことを良く見ているものだなと感じます。私は、今、憧れていた先輩のようになれているとはとても思えません。だから、私には自分のことを良く見ている後輩が多くいるという自覚を持ち、行動を改める必要があると気づかされました。後輩とのコミュニケーションも積極的に増やしたいです。

「12歳が18歳を間近に見られる環境」がなぜ良いのか、生徒たちの感想に答えがあるように思います。「憧れの先輩」に優しく接してもらえる安心感が、やがて自身の「目標」になり、先輩のふるまいは、自身が先輩の立場に立った時の「チェック項目」にもなります。姉妹ピア活動でも、部活動でも、それは大きいのだと思います。

14,15歳という激動の反抗期を乗り越えるのに、高校生の先輩たちの存在は大きいでしょう。反抗期を終えて大人のふるまいができる高校3年生がいて、まだこれから反抗期が始まる中学1年生もいるという環境。それは、少子化の今、望んでもなかなか得られない環境かもしれません。だとすれば、中高一貫校で10代を過ごすことは、出会いと気づきに満ちる日々となり、心豊かに育つことにもつながるでしょう。

今週の日曜10月25日(日)には、第3回中学入試説明会が本校にて開催されます。中高一貫という環境で過ごす意味を、ぜひたくさんの皆様に知っていただきたいと思います。詳しくは、公式ホームページの「10/25(日)中学入試説明会開催します!」をご覧ください。

中高一貫ともう一つ、西遠の特色は「女子校」であることです。「女子校って面白い」シリーズもぜひお読みくださいませ。