11月30日、今日は「絵本の日」。今から34年前の1986年11月30日に、瀬田貞二さんの『絵本論』が福音館書店から発行されたことにちなんで、のちに「絵本の日」が制定されたとのこと。
西遠の図書館では、日本の、そして世界の様々な絵本を閲覧することができます。図書館がまだ静思堂の西側にあった時代に、「ブラウジングコーナー」に絵本を置くようになり、校内で絵本を閲覧できるようになりました。絵本コーナー開設にあたって、買い付けメンバーに加えていただいたことが昨日のことのように思い出されます(リーダーは乾初江先生でした!)。元城の絵本屋さんでわくわくしながら絵本選びをしましたっけ。
創立100周年の頃に新築された現在の図書館では、2階の広々とした空間に絵本たちがたくさん置かれて、生徒の皆さんが来てくれるのを待っています。
絵本の本棚から、高3の生徒と二人で、お気に入りの絵本たちを机に並べてみました。皆さんのお気に入りはありますか? 絵本には、その人の思い出が詰まっているものですよね。「スイミー」「スーホの白い馬」で、小学校の授業を思い出す人も多いでしょう。私は「三びきのやぎのがらがらどん」を見ると、息子の保育園での劇を思い出して、思わずニヤニヤしてしまいます(息子の一言でみんな大爆笑してしまったので…)。「ロボットカミイ」はもっと昔、自分自身の小学生時代に涙した本でした。絵本が忘れていた記憶を呼び覚ましてくれることもあるでしょう。
公式ブログと校長ブログには、この絵本コーナーの歴史を物語る写真がいくつか残っています。
右:去年のクリスマスの頃の絵本コーナー。季節感あふれる装飾も嬉しいですね。
さて、「絵本の日」制定のもととなった瀬田 貞二さんとは、どんな人なのでしょう。なんと、「三びきのやぎのがらがらどん」を翻訳した人なのです。たしかに、表紙にはひらがなで、「せた ていじ やく」って書かれています。他にも、「かさじぞう」「ふるやのもり」など懐かしい民話を「再話」したり、「指輪物語」を訳したり、たくさんの絵本や児童文学を世に出し、日本の子どもたちに紹介するお仕事をされた瀬田貞二さん。彼の作品群を見ていたら、懐かしい本がたくさんありました。「あふりかのたいこ」は確か小学校の国語の教科書で習いました‥‥。
1979年に亡くなった瀬田さん。『絵本論』は彼の死後に出された本なのですね。この『絵本論』をぜひとも読んでみたくなり、先ほど、ポチッと押してしまいました。明後日、我が家に届きます。
絵本のある生活は、きっと心を豊かにします。穏やかにします。お部屋に一冊、何か絵本を置きませんか? そして、手に取って絵本の世界に行ってみませんか?
図書館の北の窓には、黄色く色づいたイチョウの木が大きく枝を伸ばしています。明日からいよいよ12月、師走です。