年末、NHKで深夜「ニュー・シネマ・パラダイス」が放映されたのをご存じでしょうか。夜更かしして一人この映画を見ながら、つい先日オーケストラ部が開いた「小さな発表会」が何度も甦りました。演奏会で最後に奏でられた音楽が「シネマ・パラダイス」だったからです。
エンニオ・モリコーネのもの悲しいメロディは、演奏会でも、そして映画を見ながらも、心に迫ってきました。トトとアルフレードの触れ合いを画面で辿りながら、「オーケストラ部の生徒たちはこの映画を見たかな」と思いをはせる、深夜の映画鑑賞でした。
2020年7月に亡くなった大作曲家エンニオ・モリコーネ。彼はたくさんの映画音楽をこの世に残しました。私は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」という映画で彼の音楽に魅了され、2004年、エンニオ・モリコーネの来日の際には、東京国際フォーラムでの演奏会を聴きに行きました。様々な映画音楽を作曲者自身の指揮で聴くことができた、貴重な機会でした。「ニュー・シネマ・パラダイス」「ミッション」そして「ワンス・アポン・ア・タイム・イン。アメリカ」の3曲は特に印象に残っています。
映画音楽と言えば、もう一人、忘れてはならない巨匠がいます。ジョン・ウィリアムズです。
昨年12月に放送されたEテレの「らららクラシック」。クラシックの番組にもかかわらず、映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズが特集され、びっくりしました。ジョン・ウィリアムズの作品と言えば、「スター・ウォーズ」「ET」「ジュラシック・パーク」「ハリー・ポッター」など、題名を聴けば誰もがメロディーを思い出せるほど有名な曲ばかりです。世界最高峰のオーケストラ「ウィーン・フィル」が、昨年1月、彼を招き、彼の指揮での演奏会が行われ、その演奏の様子が「らららクラシック」で紹介されたのでした。それはそれは夢のような時間でした。世界最高峰の演奏で映画音楽が聴ける幸せ、演奏するウィーン・フィルの団員の方々の感激した面持ち・高揚した様子、そして齢88歳を迎えるジョンの嬉しそうな表情‥‥。番組では、ジョン自身の音楽への道も紹介されました。映画音楽の道を切り開いた彼の歩みがとても興味深く感じられました。
実は、ジョン・ウィリアムズの映画音楽のCDは、息子が大好きな影響で購入し、聴くようになりました。映画好きの息子とは、二人で夜行バスに乗ってUSJに出かけたこともありました。ジュラシック・パークライドのエリアに行くと、あの音楽が冒険に誘うかのように繰り返し流され、ドキドキしたのを覚えています。(私は、映画音楽としては「スター・ウォーズ」よりも「ジュラシック・パーク」の方が好きです。映画としては怖いのはダメです…。)
「ハリー・ポッター」の映画音楽は、かつてオーケストラ部が演奏したこともありました。放課後の学園にその音色が流れるたび、映画の世界に吸い込まれるような気持になったものです。
映画音楽は、場面に寄り添って心を高揚させ、涙を誘い、恐怖を助長させます。映画になくてはならない存在であり、映画を見た後になればなるほど、その音楽の素晴らしさが心に沁みるものですね。フィギュアスケートでも、好きな映画音楽が流れると、それを踊るスケート選手を応援したくなります。映画への思い入れが強いからでしょうか。我が家に映画のサントラCDが多いのも、ひととき映画の郷愁に浸りたい気持ちがあるからでしょう。
皆さんは映画音楽に興味がありますか?お好きな映画音楽は何ですか?