女性の生き方を学び、考える

1月13日のブログでもご紹介しましたが、図書館で一冊の本を借りました。

ポプラ社の「WOMEN 世界を変えた偉大な女性たち」という本です。著者はキアラ・パスクアレッティ・ジョンソンというイギリス系イタリア人のジャーナリストです。三人の訳者によって日本語訳され、新たに活躍する日本人女性が加えられて、昨年11月に出版されたばかりの本です。もう、表紙を見ただけで、素敵な女性たちにドキドキしますね。

写真でその女性の紹介をサラッと読むつもりでこの本を借りたのですが、写真がとても美しく、一人一人の女性についてゆっくり味わいたくて、なかなか図書館に返せません(笑)。‥‥迫りくる返却期限は1月28日です。今日は、学年主任の先生方とこの本の話題で沸きました。

まず、「はじめに」を読んで感動しました。4ページにわたるこの文章には、著者なりの「女性史」がまとめられていました。その文章は「20世紀は女性の世紀である」という一文から始まります。政治家、ジャーナリスト、小説家、建築家や社会運動家、女優、アスリートと、多分野にわたる女性たちを挙げながら、50人の女性を選ぶ大変さにも触れていました。登場する女性たちの関係を「傑出した女性の人生が交差することがある」と紹介するくだりも、とても興味深いものがあります。

「ダイアナ・スペンサーとマザー・テレサは、お互いに全く違う世界の住人だったが、驚くほど近しい存在となった。2人は人生の晩年において、慈善活動を通じて互いに支え合い、世界のメディアの話題となった。そしてわずか5日の違いで相次いでこの世を去ったのである。」

「WOMEN 世界を変えた偉大な女性たち」 キアラ・パスクアレッティ・ジョンソン著 貝塚泉・中尾眞樹・渡邊真里訳 (ポプラ社)の「はじめに」より抜粋

この文章が紹介するとおり、ダイアナ妃は1997年8月31日に交通事故で突然の最期を遂げ、その衝撃と悲しみの冷めやらぬ9月5日に、世界はマザー・テレサの訃報を聞いたのでした。あの夏の終わりの記憶が甦ります。悲しいニュースが続いた夏でした。

著者はまた、「過去100年の間に、こうした画期的な変化への道筋を切り開いた勇気ある女性たちがいなかったら、現在のような状況は実現していなかっただろう」と書いています。「勇気ある女性」の存在を、私たちはたくさん知りたい!‥‥この本は、そんな望みを満たしてくれる、厚くて熱い一冊です。

裏表紙には、この本に登場する女性たち67人が列記されています。私がよく紹介する中満泉さんも「Politics」の章に入っています。皆さんの知っている女性はどのくらいいるでしょう。

さて、今週1月30日(土)には、「女性の生き方を考える弁論大会」(国際ソロプチミスト浜松後援)が予定されています。各学年の代表者が講堂の舞台から、客席の生徒たちに向けて、渾身の弁論を行います。ここに紹介した『WOMEN』の本に載っているような著名な女性の生き方を調べて紹介し、自身の意見を述べるという課題に挑んだ学年もあります。今年は弁論大会でどんな女性が紹介されるのか、どんな意見が述べられるのか、‥‥これは弁論を聴く側の大きな楽しみです。

女性の生き方を調べ、そして考えること。そこには大きな学びがあります。自分の道を切り拓くための固い地盤を、先達の女性たちが築いてくれるのです。