令和2年度 女性の生き方を考える弁論大会 その1

1月最後の土曜日、国際ソロプチミスト浜松様のご後援をいただき、今年も「女性の生き方を考える弁論大会」が開催されました。

西遠では、「人として、女性として、いかに生きるか」をテーマに様々な土曜プログラムが組まれています。その中でも、中学1年から高校2年までの全員が書く「女性の生き方を考える課題作文」は、学年ごとに研究課題が設定されています。身近な女性の生き方を取材したり、新聞や書籍で一人の女性の一生を追ったり、女性に関する社会問題に取り組んだり。そして、5年間蓄積された課題作文は、高校3年になった時、自身の6年間の歩みを振り返る大事な材料となり、生徒は自分の歩みを新たな1本の論文にまとめるのです。

この「女性の生き方を考える作文」をもとに行われるのが「女性の生き方を考える弁論大会」です。級友の間での発表会を経て、クラス・学年の代表が決定し、講堂での弁論に進みます。今年は、中学も高校も6名の代表者が講堂の舞台から、生徒たちに弁論を展開しました。

今日は、中学の弁論大会を振り返ります。

中学1年生は、身近な女性への取材を通し、「生き方」「考え方」「働き方」について自分の意見をまとめました。

近藤さんは、人形作りに励む伝統工芸士の叔母を取材し、将来、自分の仕事に楽しさや達成感、喜びを得たいと力強く語りました。

内藤さんは、香港でアートディレクターとして活躍する叔母を紹介し、「やりたいこと」を「できること」に変えるためには努力が必要だということ、努力をいかに生かせるかが大事だと訴えました。

中学2年生の発表者2名も、よく調べた弁論内容でした。

加藤さんは、インドの女性たちを描いた「ピリオド―羽ばたく女性たち―」を視聴しました。インドで衛生的な生理用ナプキンを作り始めた女性たちの自立を追ったこの映画をきっかけとして、インドに比べて日本の女性教授が少ないなど、日本の男女不平等の現実にも気づいた加藤さんは、映画に登場したインドの女性たちのプにパワフルに生きたいと語りました。

山口さんは、「オンラインを活用した企業の取り組み」を調べました。オンライン活用による働き方の変化と、自身がダンス部の一員として経験した「オンライン学園祭」でのダンス作品制作の苦労とを比較して述べ、オンラインのメリットとデメリットを分析しました。

中学3年生は、世界の偉大な女性たちを一人選んで、自伝などの書籍を読み、その生き方から考えたことを発表しました。

則武さんは、ヘレン・ケラーを取り上げました。三重苦を背負ったヘレンは、努力を重ねてハーバード大学に合格、社会の問題にも積極的に取り組みました。自分の意志を貫いた人生を紹介し、高い壁があっても乗り越えるまで決して諦めない決意を表明しました。

ラストを飾った牧野さんは、マララ・ユスフザイさんを紹介しました。雲の上の存在だったマララさんについて「私はマララ」を読み、自分とのたくさんの共通点を見つけた牧野さん。自分にないのは、「勇敢」ということだと気づきます。グレタ・トゥーンベリさんという同世代の女性にも触れ、自分も勇気と強い意志を持ちたいと力強く主張しました。

6人の弁論はいずれも素晴らしいものでした。大きな拍手が、発表者に送られました。代表者は、国際ソロプチミスト浜松の岡本会長様より「盾」をいただきました。

弁論という「自分の意見をたくさんの人に伝える」という学びは、発表者にとって大きな自信となったことでしょう。客席の中学生も、6名の弁論の内容から、生きるうえでのいろいろなヒントをもらったのだと思います。

ソロプチミストの岡本様、秋様、本日はありがとうございました。

明日は、高校の弁論大会の模様をお伝えします。