今夜は中秋の名月。
午後7時、仕事を終えて、校長室の窓から空を眺めると、
厚い雲の中から、中秋の名月が顔を出しました。
月の光はまっすぐで、けがれのない、清らかさを感じます。
黒い雲が速く流れていっても、黒に染まらぬ孤高の美。
厳然とそこにあって、神々しい光で、地上を優しく照らします。
宮澤賢治の「永訣の朝」には、雪の清らかさが「あんなおそろしいみだれたそらから/このうつくしい雪がきたのだ」と、空と対比して描かれていますが、
雪の降らない浜松で長く暮らす私にぴったりくるのは、雲と月、地上と月の対比でしょうか。
地上には、醜い争いや悲しい事件が毎日起こっています。
だからこそ、余計に月光に心洗われるのかもしれません。
正直に、愚直に、やわらかな心を持って生きていきたいものです。
月を見上げ、守られているような心強さを感じて、家路につきました。
皆さんは、どんな思いで中秋の名月を見上げたでしょうか。