今日は、西遠の創立記念日。1906年に創立された西遠女子学園は、本日115歳になりました。午前は高校、午後は中学と、講堂にて「第115回創立記念式」が行われました。(式典の写真と内容は、公式ブログでご覧になれます。こちらをどうぞ。)
昨年は、コロナウイルスの感染防止のための休校措置が取られ、創立記念式自体が開催できませんでした。今年は感染防止対策のため、「創立讃歌」や「岡本巌先生に捧げる歌」を会場に流す形をとり、校歌以外を歌うことが叶いませんでしたが、PTA会長の仁地様(午後は副会長の神谷様)、同窓会長の二橋様のご臨席を賜り、式典を挙行することができたということに、心から喜びを感じています。
式辞では、お二人の卒業生のお話を致しました。お一人は、劇団たんぽぽの創始者小百合葉子さん。西遠との絆の中で、日本有数の劇団を築き上げた小百合さんを改めて紹介しながら、その劇団の危機に、小百合さんの後輩である西遠生たちが立ち上がったこともまた、素晴らしい「縁(えにし)」であると話しました。また、この2月に100歳を迎えられた中村千代子さんのことも紹介しました。中村さんは、長く小学校教員として勤められ、浩宮様(現天皇陛下)が一人旅で滞在した小学校で校長として対応された方です。100歳を迎え、西遠の今を学園報で読まれた中村さんは、「岡本富郎先生の情熱が今の西遠にもつながっている」とおっしゃったそうです。西遠の大先輩がそう感じてくださる、西遠に宿る先人の情熱。そのゆるぎない基盤に守られている私たちもまた、果敢に挑戦していかなくてはならないと思います。
中高生徒会長による「誓いの言葉」も力強く心に響きました。CDで流れる「創立讃歌」の歌詞にも改めて背中を押されました。115年目を歩み始める決意を新たにして創立記念日でした。
西遠では、創立記念式に続いて、第2部で芸術鑑賞を行うのが恒例となっています。今年の「記念コンサート」は、「長尾早苗 琴リサイタル」。東京芸術大学をご卒業になり、箏曲家として活躍されている長尾早苗さんは、本校卒業生で、本校琴部の講師も務めてくださっています。長尾先生にご公演をお願いしたのは、昨年の第114回創立記念式での演奏でした。昨年のコンサートが中止となってしまい、改めて、今年の演奏会をお願いしましたところ、ご快諾くださり、今日のコンサートが実現しました。
長尾先生は、江戸時代の八橋検校作曲の「六段の調べ」に始まり、明治時代の宮城道雄の「春の海」「五十鈴川」、そして、昭和の沢井 忠夫「鳥のように」、長沢勝俊の「二つの田園詩」へと、琴の音楽史を辿るラインナップを、その新しさ(主題や演奏法、西洋音楽との融合など)について解説を加えながら演奏してくださいました。長尾先生の独奏、そして、フルートの加藤様、十七絃の染川様との合奏は、いずれも力強く迫力あるものでした。
午後の部では、花束贈呈のあと、校歌を演奏してくださるサプライズもあり、一気にお琴が親しみ深くなった生徒たちでした。
こうして、活躍する卒業生の演奏を生で聞くことができるということは、大変贅沢なことだと思います。長尾先生、加藤様、染川様、本日は素晴らしい演奏を本当にありがとうございました。
午後のコンサートの後、老校長像に飾られた花環がきれいだね、と生徒たち。カーネーションとカスミソウで飾られた花環、本当に美しい花環です。その向こう、河津桜には今日もメジロが訪問していました。
さあ、115年目の歩みを始めましょう! 明日は高校卒業式のリハーサルもあります。忙しくてせつない3月最初の週です。