コロナウイルスに翻弄された2020年度がもうすぐ終わろうとしています。連載しています「コロナ禍に、西遠生は何を学んだか」の第4回は、「挨拶」について考えます。
今年度、「挨拶」についていろいろ考えさせられました。休校中、週に一回の登校日には、生徒がマスク越しにも聞こえる挨拶をしてくれて、嬉しく挨拶を交わしながらも、人恋しさだろうか、寂しかったのかなあと、会えなかった1週間の彼女たちの生活や思いを想像したものでした。休校が明け、夏休みも明けると、だんだんと挨拶の声が小さくなっていきました。自分から挨拶する生徒も減ってしまったように思われました。そんな時、中学生徒会長と中央補佐の二人が、冬休みを前に挨拶について中学生に訴えるプレゼンをしてくれたのでした。この日のことは、こちらをお読みください。
2月20日の講堂朝会では、こうした生徒会の取り組みを紹介しながら、学校評価アンケートでの数値の変化を示しました。教員評価は、前期よりも「5」(よくできた)が増えたことも紹介しました。
そんな講堂朝会の話を受けて、生徒たちがこんな感想を寄せてくれました。
- 挨拶の面では、学校内だけでなく、学校外の地域の方々やバスの運転手さんなどの様々な人にも挨拶できたし、校内ですれ違う先生や先輩に挨拶することができたので、良かったと思います。また、生徒会の先輩方の活動や集会後の発表などもあり、後期は特に挨拶を意識することができたと思います。(中学1年生)
- 私は今年一年間、挨拶がしっかりできたと思います、それはたぶん、マスクをしていたことによって、意識がちがったからです。新型コロナウイルスの流行でマスクが体の一部になり、声をふだんより大きくだ出さなくてはいけなくなりました。幼いころから声が小さく、それが理由でよく怒られたり泣いたりと問題の種になっていました。西遠に入学して、だんだん、堂々とするようになり、声の大きさも挨拶も良くできるようになりました。自分でも実感していますが、特に家族にもよく言われます。登校時、西門ではコートから出た後、左右確認をして、先生方に自分から挨拶しています。(中学3年生)
- 私は生徒会執行部に入ったことで大きく自分に変化がありました。正直、2年生までは自分から大きな声で挨拶をする人ではありませんでした。でも、3年生になり、執行部に入って、「生徒会に入ったからには挨拶もしっかりしなければ」という責任感があって、人より先に挨拶をするよう心掛けました。だんだん挨拶が自然とできるようになると、朝大きな声で挨拶をするだけでこんな明るい気持ちになれるんだ、一日の始まりをこんなに良い気分で過ごすことができるんだと思うようになりました。学校で先生や友達に挨拶するようになると、地域の人とも挨拶ができるようになりました。挨拶は一生大切にしていきたいです。(中学3年生)
今日ご紹介した感想は、いずれも自分から気持ちの良い挨拶に心がけた生徒たちの取り組みです。個々の生徒が努力して取り組んだ挨拶。そこで知った気持ちよさや、家族にも認められた成長は、これから伸びていく大きな自信になるでしょう。そして、一つ壁を突き破った彼女たちの姿が、また近くの誰かに影響を与えて、その友もまた成長を見せてくれると信じます。
さわやかな挨拶の輪が、コロナ禍に負けず、西遠からどんどん広がっていきますように。