中学生からの返事2~講堂朝会の感想から~

講堂朝会「私たちは生徒会活動で何を学ぶか」を聞いた感想を、今日もご紹介します。
この日、53.68%という衆議院選挙の投票率を紹介した時、18歳と19歳の投票率がそれよりの低いことも、中学生に話しました。
18歳は50.74%、19歳は32.34%だったのでした。
この数字を彼女たちは驚きをもって捉えた様子でした。
花園大学の師先生による「なぜ投票しないのか」との質問への学生たちの答えも、ちょうどネットを賑わせていましたので、中学生たちに紹介しました。
☆政治に詳しくないから、自分は投票する資格などない。
☆自分ごときの一票が影響を与えたらだめだと思う。
…こうした若者の思いを紹介した後、中3が実際に学んでいる「公民」の教科書を読んだのでした。
「誰を代表に選ぶかは、後に政治の結果となって選んだ国民に返ってくる。」
教科書の一節です。
そして、同じ教科書から、
「クラスやクラブ活動」でも政治についての技能を身につけ、政治を観察する目をきたえているのであり、政治は遠い世界のできごとではない、
という文章も読み上げました。
その上で、「足元」の生徒会活動を考えてみたのです。
今日は、中学2・3年生が話を聞いて、「生徒会活動」というものをどうとらえたのか、そして、未来の有権者としてどんな決意を持ったのか、感想を紹介します。

◎私は生徒総会の時、質問や疑問があっても、人前で発表する勇気がなかったり、1つ上の先輩に向かって言うのがいけない気がして、人任せにしてしまったりしました。でも、今思うと、その時の私みたいに「誰かが言ってくれる」などと思っていた人が他にもいたと思います。そういう時、同じ疑問を持っている人がたくさんいると、誰か一人が質問するだけで何人もの人の疑問がなくなることもあると思います。だから、これからは何か質問があったら、積極的に言うか、言う勇気がまだなくても言う努力をしようと思いました。中学生のうちから、「国」という大きな場ではなく「学校」という場所で、今のうちに「よりよくするにはどうしたらいいか」などを勉強したり考えたりしていこうと思いました。(2年生)
◎私は最初53.68%の数字を見て、何のことか全然分かりませんでした。ついこの間行なわれた衆議院の選挙の投票率だと知って、ああ、なるほどと思いました。今、ちょうど「社会」で「公民」をやっています。「公民」は正直好きではないけれど、日本の政治について理解したり、内閣の仕組みを知ったりすることはとても大事なことなので、ちゃんと勉強したいです。政治のことをよく分かっていないと、18歳になったときに何もわからないまま投票してしまうので、ちゃんと理解して投票したいと思います。今回、投票しなかった人の意見で、「自分は政治のことに詳しくないから投票する権利がない」「自分の一票で国が左右されてしまうから」などの声がありましたが、私は投票に行かないことが一番無責任なことだと思いました。政治に詳しくないなら、自分で政治のことについて理解しようと思わなければ、永遠に投票に行かないのではないかと考えました。選挙権を18歳に下げたのも、国が若い人たちに政治のことを知ってほしいという思いからなのではないかと私は思っています。だから、選挙権がある人は選挙に行くべきです。私もちゃんと政治について理解していきたいです。(3年生)

生徒会活動は、ともすると、会員の無関心の中で、執行部など限られたメンバーだけの活動になってしまいがちです。
しかし、生徒会は小さな社会です。
生徒会の一員である自覚を会員全員が持つことにより、生徒総会の基本方針もしっかりと意識され、その一つ一つの活動も活発化すると思います。
勇気を持って発言をする、質問をする、そんな行動にもつながることでしょう。
そして、その意識が、社会人になったときにも、責任ある言動となって生かされていくと信じます。
53.68%という投票率を中学生たちが「低い」と問題視し、足元の「生徒会活動」から変えていくならば、きっと未来を担う力を彼女たちは持つはずです。
この講堂朝会の2週間後、今度は高校生への講堂朝会で「君たちはどう生きるか」というお話をしました。
その感想も、またの機会にご紹介したいと思います。