図書館入り口に掲げている「小さな白板(ホワイトボード)」、第15週は、本日(日曜)の中学入試説明会で訪れてくれる小学生のみなさんをお迎えしたので、なんと7日連続休みなし! そのラインナップを振り返ります。
7月12日(月) 拾ふ子にのうせんかづらまたこぼれ 村上鞆彦
ノウセンカヅラの写真を探しました。学校にはない花なので、昔の旅行の記憶をたどり…。2007年に「乙女の会」(西遠時代の仲間との旅行団体名)の鎌倉旅行の折にノウセンカヅラをカメラに収めてありました。
ビタミンカラーのノウセンカヅラ、木の下に落ちた花を拾う子どもに、また新たな落花があったのでしょう。夢中になって花を拾う幼子の姿が瞼に浮かびます。
7月13日(火)
「違和感をスルーせず、自分のなかで大切に育ててください。なぜなら、その小さな違和感こそが、未来につながる王権のとびらなのです。」 (瀧本哲史「ミライの授業」より)
「西遠生にすすめる本」の中からピックアップした言葉です。第13週で紹介した梨木香歩さんの文章とも通じる言葉ですね。
7月14日(水) 不思議なり千の音符のただ一つ弾きちがへてもへんな音がす 奥村晃作
ギターマンドリン部やオーケストラ部、琴部など、音楽に打ち込む生徒たちへの応援のメッセージとしてこの短歌を選びました。
7月15日(木) 足型を描かれ立ち位置指示さるにたちまち馴染む日本人こはし 大塚寅彦
コロナ禍の中で読まれた短歌。こういう時だからこそ、自分とは?日本人とは?と考えさせられることがたくさんあります。
7月16日(金)
「大切なのは、自分の問題として考える想像力はないでしょうか。それが平和な時代を創造するためには必要不可欠なことだと思います。」(ちゃんへん.「ぼくは挑戦人」より)
パフォーマーとして世界で活躍するちゃんへん.さんの本から。火曜日の「違和感」の次は、「想像力」の必要性についての文です。未来を拓くために必要な力は、いろいろあるのです。
7月17日(土) 影だって踏まれたからには痛かろう しかし黙っている影として 笹井宏之
「はじめて出会う短歌100」から今週はこの短歌を含め2首を紹介しました。14日の短歌もそうです。生徒の皆さんにぜひ読んでほしい本です。
影の存在を想う日には、その人はきっと何より孤独を感じているのではないでしょうか。
7月18日(日) なつまつりスモモあめやのおじいさんあかいてをしてことしもきてる 菊池彩希
土曜・日曜と中学入試説明会がありました。日曜に学校を訪れる小学生の皆さんに、この短歌を選んでみました。祭りの飴屋の夜店で赤い手をしているおじいさんの存在に気づく子どもの目。きっと優しい作者なのだろうなと想像します。
梅雨明けの浜松、今日も暑かったですね。
我が家の庭に、バラが咲いていました。春のバラに比べて花は小さいけれど、玄関を出たらこのピンク色が視界に飛び込み、元気いっぱいになりました。
昨夜は、アクト大ホールで行われた劇団四季の「The Bridge」を見て、音楽やダンスの素晴らしさに大興奮でした。舞台を気兼ねなく見に行ける日が近いことを願わずにはいられません。
セミの声は賑やかで、樹下では会話の声も届かぬほどうるさいけれど、そんなセミの声より元気に夏休み前の新たな週を過ごしましょう。
最後にお知らせ!
19日(月)から、NHKのBSプレミアムで日中共同制作ドラマ「大地の子」が放送されます!
放送日:2021年7月19日から8月23日 毎週月曜日 午後9時から
ドラマ「大地の子」は、個人的に20世紀最高のドラマだと思っています。ドラマ化が決まる少し前に山崎豊子の原作を読み、そのスケールにも内容にも驚かされた私には、ドラマ化が果たして可能なのか半信半疑でしたが、完成され初放映された日の、えも言われぬ感動は、今なお忘れることができません。1995年の秋のことでした。第1回の放送を見たのは、家族旅行で訪ねていた奈良の旅館だったことを覚えています。主人公は、中国残留孤児 陸一心。毎週土曜の夜に放送されたこのドラマの反響はとても大きく、月曜には生徒や先生方で興奮気味に感想を語り合ったものでした。小学1年生だった息子も一緒に見ていたことを思い出します。その息子が熱心にすすめて、担任のT先生が「大地の子」再放送を毎夜寝不足になりながら見てくださったというエピソードもあり、我が家の歴史の一部でもあるドラマなのです。
私はこのドラマの音楽も本当に好きで、のちにサウンドトラックCDも買い、渡辺俊幸さんの指揮で生の演奏を聞いた時には涙が出そうになったほどでした。
というわけで、ぜひご覧いただきたい「名作ドラマ」です。明日からです!録画予約をお勧めします。感想をぜひ語り合いたいです!