10月16日(土)、1時間目に中学が、2時間目に高校が、「生徒総会」をそれぞれ行いました。
生徒総会は、生徒会の最高議決機関です。後期の基本方針案を執行部が発表し、生徒会会員の承認を得るための大事な「定例」の総会です。これに先立って、後期役員認証式がありましたので、私は式の最後に、生徒総会の意義についても短くお話ししました。選ばれた者の責任、選んだ者の責任、そして、18歳選挙権のことも。神妙な面持ちで私の話を聞いた生徒たちは、その数分後に生徒総会開会を迎えました。
1時間目 中学生徒総会
前期の活動報告と、後期の基本方針案が各執行部長から発表され、続いて質疑応答の時間となりました。話し合う時間をとるのかと思いきや、会場から次々に手が挙がり、私のメモが正しければ15人の生徒が後期の方針案への疑問点を発言しました。
「質疑」では、募金の行方や、週番コンテストの詳細について、前期に行われた「西遠シエスタ」の後期実施への期待など、どの生徒の質問も的を射たもので、会場全体の真剣さが伝わってきました。質問のメモを取るのが大変だったのは、司会者2人だけではなかったと思います(少なくとも私は大変でした!)。この後の「応答」では、執行部長たちが、それぞれの質問に誠実に答えていたと思います。きっとそれは、質問してくれた会員の熱意を受けとめたからだと思いました。
中学生徒総会は、後期基本方針の承認をもらい、会長さんからの挨拶・顧問の先生のお話をもって閉会しました。いよいよ後期の活動のスタートです。
今年はイングリッシュ・サマーキャンプの真っただ中での生徒総会ということになり、例年に増して執行部は大変だったと思いますが、大きな波を乗り越えて、3月までの航海が始まりました。「西遠シエスタ」がどう展開されるかなど、楽しみです。
2時間目 高校生徒総会
高校生徒総会が始まりました。
高校では、方針案の発表の後、換気タイムを取り、その間、客席では「質疑応答」に備えるための会員の話し合いが行われました。
高校生徒会会員からの質問は4つ。ベルマーク集めについての提案、そして友愛傘の交換についての要望もあり、後期活動のためになるものでした。
執行部の回答のあと、方針案は承認され、執行部を代表して生徒会長が「できる限りの力を発揮します」と力強く述べました。
高校生徒会執行部には、実は総会のあとで一言辛口のコメントをしました。「後期の方針として、何をするかは分かったけれど、何のためにするのか、どういう高校にしたいのかをもっと言葉にしてほしかったな」と。理想の姿があって、ビジョンができ、そこに到達するための施策があるはずです。選挙権を持つ18歳もいて、もうすぐ18歳になる生徒がたくさんいる高校生徒会だからこその、校長からの要望です。それは会員一人一人にも要請したいことでもあります。生徒会活動という自治活動を、今よりもっと高度なものに進化させていくために、高校生にはもっともっと伸びていってほしいな。「こういう高校でありたい」「私たちはこう成長しよう」という熱い思いをぜひたぎらせて、後期の生徒会活動を充実させてください。
生徒総会を通じて得たこと
生徒総会は、生徒たちにとってどんな存在なんだろう…。いつも、自分が中学生の頃のことを思い出します。
中1の頃はよくわからない会でした。質問する先輩を見て、すごいなと思っていましたが、意味がわかりませんでした。1年後期にクラスで執行部長(現在は執行委員)に選ばれて、よくわからないけれど、「後期基本方針案」を作るための合宿に参加しました。先輩ができた、と思いました。そして、方針を自分たちで考えることに新鮮な面白さと責任感を感じたのを覚えています。私は、生活執行になったので、毎週土曜の週番引継ぎ会が大切な任務になりました。3年前期に、再び生活執行部長となり、基本方針を考える立場になりました。どんな方針を立てるか、中2・中1とともに考えました。ステージ上に立つ側としては、総会で質問を受けたらいやだなあという思いが先行します。だから、今の私みたいに、校長先生が「分からないことは質問しなさい!」と言ったら、きっと「いやいや、誰も質問しちゃいかーん!」と心の中で叫んでいたと思います(笑)。質問されないように、原稿を練りに練って、「武装」していましたね。武装するために、自分たちの考えた方針案を深く考えて、突っ込みどころなどない堅固なものにすることを心がけました。
高校生になり、2年の夏休みに、次期生徒会会長に立候補することになりました。当時の生徒会会長の任期は、2年10月から3年9月まででした。規約を隅から隅まで読みました。何が良くて、どこが改善すべき点なのか日々考えました。立候補することになったからこそ、生徒会活動の意義が深く自分の中に浸透したのだと思います。全員役員制の高校生徒会でしたが、規約を大幅に改正することになり、顧問の池ヶ谷先生にお尻を叩かれながら、規約改正という一大事にあたりました。先生の導きがなければ、絶対にできなかった仕事です。でも、この時の経験は、自分が教師になった時、大いに生きました。
生徒総会の進化、生徒会の進化
教員として一つも質問の出ない生徒総会を長く見てきました。ずっと忸怩(じくじ)たる思いをしてきましたが、今の生徒総会は違うとはっきり言えます。この10年ほどで、生徒総会はとても活気あるものに進化しました。質問の質もどんどん上がっています。それは、西遠生が胸を張っていいことだと思っています。
生徒総会の進化は、生徒会活動全体の進化につながるはずです。執行部は大きなイベントの準備や忙しい日常の中で、悶々とした思いでいるかもしれません。特に後期はあっという間に過ぎます。でも、どんな西遠にしたいかというしっかりした芯があれば、きっと活動の質もさらにアップすることでしょう。会員をどうその気にさせるかも大事な点だと思います。もちろん、会員一人一人の目も大事です。それが「選んだ責任」です。
これから始まる中高生徒会の活発な活動、熱い活動を、校長として、西遠の先輩として、大いに期待しています。