理事長・校長講演会2021

今日は、母親学級の12月講座「理事長・校長講演会」でした。この講座は、毎年、母親学級主催として、母親学級に所属していない保護者の皆様にも、広くご参加いただいています。

感染防止対策を徹底し、ご参加のお母様方には座席を指定してお座りいただき、今年はマスク着用に加えまして舞台の理事長&私の前にそれぞれシールドも設置しての講演会となりました。

今年の講演テーマは「2030年の世界〜教育のニューノーマルと西遠の取り組み」 です。OECDが中心となって研究が進んでいる「2030年の教育」について理事長先生が説明し、その教育が西遠でどう展開されているかを私が説明しました。

理事長パートで最初に登場した言葉が「「VUCA(ブーカ)」 です。お母様方が一斉にメモを取り始めました。壇上のオオバもメモメモ…。「VUCAな時代」??

VUCAとは、4つの単語の頭文字をとったもの。4つの単語とは、「Volatility(ボラティリティ=変動性)」「Uncertainty(アンサートゥンティ=不確実性)」「Complexity(コムプレクシティ=複雑性)」「Ambiguity(アムビギュイティ⁼曖昧性)」です。変動しやすく、不確実で、複雑、そして曖昧な…すなわち予測の難しい状況を示す言葉で、まさに今の世の中!コロナ禍により一気にそんな様相を呈しています。

OECDが2000年初頭から研究開発してきた中に、西遠でいつもお話している「21世紀型スキル」や「教育の4つの次元」などがあります。不透明な時代の中でどういう能力をつけることが求められるのか、どういう教育が必要なのか、最先端の研究と、200年以上前の世界の賢人たち(アダム・スミスやルソーなど)が世に問うた主義や概念を紹介。まさに教育における温故知新を、理事長パートで説明しました。

続く校長パートでは、コロナ禍における本校の取り組みが、生徒たちにどういうスキルや人間的成長を実現させているかを、行事での学びを中心にお話しました。

コロナ感染防止対策として、新たな制限がつけられた音楽コンクールやパフォーマンス大会でどういう課題探究活動が行われたのかを紹介し、次いで、今年のOMO学園祭への取り組みが、今までとは違う形での21世紀型スキルの獲得につながったかをスライドを使って説明しました。HR展のプレゼン動画も一部ご覧いただきました。

さらに、先日行われた高校1年生の「エンパワーメントプログラム」を振り返り、事前と事後に取ったアンケートを分析して、行事による生徒の成長を紹介しました。そこには、スキルだけでなく、「勇気」「好奇心」といった「人間性」の成長も確実に見られます。3日間のプログラムがいかに貴重な体験だったかが、客席のお母様方にもお分かりいただけたと思います。

今年度も、なかなか学校で生徒の活躍をご覧いただく機会に恵まれず、ご家族の皆様には学園生活が見えないご不満やご心配も少なくなかったと存じますが、今日の講演で今の西遠や西遠の教育の目指すところがご理解いただければ幸いです。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。中学1・2年生の保護者の皆様には、参観会・懇談会もある週に、この講演会にもご参加いただき、恐縮です! 2030年の世界を想像し、目指しながら、西遠はこれからも伝統と新しさの二つを大事にして教育活動を推進していきたいと思います。