3月3日は、桃の節句。そして、西遠女子学園の「創立記念日」です。
今から116年前の1906年、岡本巌先生が奥様の欽先生と共に「私立女子高等技芸学校」を設立、女子教育の礎を築かれました。3月3日は、学園のいわばお誕生日。全校で式典を挙行し、芸術鑑賞を行うのが、西遠の創立記念日の習わしです。
今日は、午前に高校生が、午後中学生が式典にそれぞれ臨みました。記念式では、最初に、西遠の歩みを映像で振り返ります。この番組は、学園創立110周年に際してPTAの皆様からご寄贈いただいたもので、撮影・編集・語りをすべて卒業生が担当してくれたものです。学園の長い歴史をたどりながら、先人の思いを受け継がねば、と背筋がピンと伸びる番組です。
今回、コロナ感染防止の対策として「校歌」「老校長先生に捧げる歌」「創立讃歌」の3曲について斉唱を控え、すべてCDで流しました。そこで、私は「創立讃歌」のお話をすることにしました。学園の創立50周年に、生徒から詩を募集し、最優秀となった田村以津子さんの詩に、作曲家大中寅二さんが曲をつけて完成したことを、今日はぜひ中高生に知ってもらいたいと思いました。
学園の歌のお話は、午前中来賓としてご登壇くださった同窓会長の二橋様からもありました。「灯を高く」の歌のお話です。困っていた時、いつも灯を高く掲げて友が助けてくれたと、自らの学園生活を振り返った二橋様は、皆さんにもそんな友や先生がいるのだから、そういう存在を思ってこの歌をこれから歌っていってくださいと、高校生にお話しくださいました。
また、PTA会長の仁地様は、中学生・高校生に、116年の歴史を積み上げた学園で、今いる皆が新しい歴史を刻んでいくために、「感謝・尊敬・思いやり」の心を大切に育むようお話しくださいました。
生徒代表の「誓いの言葉」は中高生徒会長が、創立者への花環の奉呈は中高の副会長が務めました。厳かな空気の中で、歴史と伝統を受け継ぐ力強い「誓い」であり、「献花」でありました。
第2部のコンサート、今年はピアニストの宮本いずみさんによるリサイタルです。
ショパンやリスト、ドビュッシーの名曲を奏でてくださった宮本いずみさん。宮本さんの魂を込めた力強い演奏は、講堂いっぱいにとても重厚に響きました。素晴らしい音色にうっとりしました。今もピアノの調べが頭の中を流れています。
午後のコンサート 午前のコンサート
宮本いずみ様、素晴らしいリサイタルをありがとうございました。
学園の創立記念日を迎えるたび、歴史と伝統を引き継ぐ責任と誇りを心に刻みます。学園の歴史と伝統は、教師と生徒の不断の努力によって培われるものであると、岡本富郎先生のお言葉にもあります。先人の皆様のご苦労やご努力を引き継ぎ、皆で116年目の歩みを確実に進めてまいります。