この1ヶ月の間に2つのミュージカルを観ました。
劇団四季「ノートルダムの鐘」
帝国劇場「マリーアントワネット」
マリーアントワネットは言わずと知れたフランス革命時の王妃。
「ベルサイユのばら」「1789」と、彼女はたくさんのミュージカルに登場します。
一方、「ノートルダムの鐘」は、ビクトル・ユーゴー原作。
ディズニーのアニメーションにもなりましたが、こちらの時代は、15世紀末の物語です。
フランスを舞台にした2つのミュージカルは、扱う時代は違えど、不寛容に対する危機感、暴力の連鎖への警告を、客席に訴えていました。
四季の「ノートルダムの鐘」の制作者は「今の時代と重なるものがある」と言ったそうです。
客席に座りながら、鬼気迫るものを感じました。
演劇で2作続けて、こんなにもワサワサしたような気持ちになったことに、自分でも驚きました。
しばらく前に「真田十勇士」の舞台を初演・再演と続けて観た時に、初演の時には感じなかった、殺戮(さつりく)に対する違和感や嫌悪感を感じてしまったのは、再演までの間に世界各地でテロが起こったことが影響したのでしょう。
演劇を見ることは、日常から離脱した空間に身を置くことでありながら、世界情勢や時代背景に心は大きく左右されるのだと、その時思ったものでした。
今回、2つの作品に共通して感じた、今の自分たちに無関係とは言えない心のざわつき。
今の時代に警鐘を鳴らそうと奮闘する芸術家の矜持を感じた私でした。