高校2年生の挑戦

明日、九州研修旅行に出発する高校2年生。
5日間の研修旅行の日程の中で、彼女たちは「平和」を考え、行動する時間を多く持ちます。
その一つ、長崎の平和公園で行う「献鶴式」。
5月の殉難学徒慰霊式で全校生徒が折った鶴を携え、
さらに高校2年生全員が声を合わせて詩の群読を行います。
金曜の朝、校庭に集合した高校2年生は、青空のもとで、詩の群読の最後の練習を行っていました。
声を合わせる前に、みんなそれぞれにタイミングや速さの確認でしょうか。


やがて、代表者の合図で、群読が始まりました。
谷川俊太郎さんの代表的な詩「生きる」です。
全員で、あるいは、クラスごとに、皆が声を合わせ、力強く
生きるということ、今生きているということ、それは・・・
長いこの詩をうたいあげました。

長崎の平和公園での彼女たちの姿を想像しながら、胸が熱くなるのを覚えました。
原爆の詩を群読し始めたのは、66回生の演劇部員たちでした。
それを継承してきた後輩たちが、今度は第2章、次なるステップへと踏み出したのだなあと思いました。
第2章のスタートとなるその詩は、原爆そのものの悲惨さを歌うのではなく、谷川さんの「生きる」。
その前向きな言葉の中に、今自分たちに「命」があることの素晴らしさを感じさせます。
戦争の悲惨さ、原爆の悲惨さを、殉難学徒慰霊式や平和の作文といった西遠での積み重ねの中で心に感じとっている彼女たちだからこそ、「生きる」ということへの熱い思いが、にじみ出るのだと思います。
高校2年生たちの声が、高らかに、厳かに、平和祈念像に、そこを訪れた人々に、そして長崎の空に、力強く響くことを、心から願います。
行ってらっしゃい、高校2年生の乙女たち。