中高一貫校に育つということ

10月末に中学講堂朝会、11月10日に高校講堂朝会を行いました。
先に行われた中学講堂朝会では、中学生徒総会の活発な状況を振り返りながら、それをレベルアップしていくためには何が必要かをお話しました。
生徒会の活動とは何か、その目的を「生徒会規約」をもとに再確認し、学園生活の向上という観点で考えた時に、姉妹掃除や挨拶、言葉遣いについてこのままでいいのかという問題提起をしたのです。
もちろん、これらの問題は中学生だけで何とかできるものではありません。
そこで、11月10日の高校講堂朝会では、中学生の感想を紹介し、「中高一貫校の高校生としてどうすべきか」について、高校生の先輩たちに対して問いかけました。
高校生にとっては、日頃の自分と向き合い、ここまでの道程を振り返る一時間になったようです。
今日から「中高一貫校に育つということ」と題して、中高一貫の西遠の高校生が今どんなことを考えているのかをご紹介します。
中高一貫の学校にお子さんを通わせることについてお考えの皆様にも、ご参考になるのではないかと思います。
今日は、高校1年生の感想をご紹介しましょう。
中高一貫校で育つ能力について、彼女たちはこう考えました。
☆普通の中学校、高校だと1年生から3年生までの人としか関わることができないけれど、西遠は1年生から6年生までの人と話をすることができるため、コミュニケーション能力や、先輩後輩とどのように関わっていけばいいのかを学ぶことができます。そういう面でも、姉妹での活動は大変貴重なのだなと改めて思いました。
☆「12歳が18歳と一緒にいられる環境」について自分で考えてみました。私が思う「高校生にとって良い点」は、年下の人たちに気遣いができるようになり、同級生や先輩と接する時とは違うコミュニケーション能力が身につくことと、相手が自分より年下だと「お手本になるようにしなければ」という気持ちが自然に働くと思うので、リーダーシップを発揮でき、人の指示に従っているだけということがなくなる、ということです。私は、今まで人に言われたことをただこなして、先輩などからの指示を待つだけでした。しかし、高校生になって後輩が増えていく中、そんな状態ではいけないので、後輩にとって自分が目標である存在になりたいと思いました。

12歳にとっての18歳は本当に大きな存在です。
中学1年生の頃はこうだった、と振り返る生徒もいます。
☆私が中学1年生の頃は、高校3年生の先輩はとても遠く離れた存在でした。しかし、一緒に掃除をしたり活動したりしていくうちに、少しずつ自分との距離が縮まり、近くに感じることができました。そして、先輩方からはたくさんのアドバイスをもらったり、初めて知ることがあったりして、とてもありがたかったです。とても楽しく、良い経験になったので、自分も今、先輩の立場にあって、いろいろなことを教えてあげたいと思います
また、自分の部活動での日々を振り返った生徒もいました。
中高ずっと同じ部活動で練習している彼女たちは、こんなことを考えています。
☆高校生になり、部活でも後輩を指導することが多くなってきて、部をまとめるということは思っていたよりも難しく、大変なことだと日々痛感しています。それと同時に、今まで部活を創り上げてきた先輩方のすごさも実感しています。中学生から、そういう先輩方の背中を見て生活できるところも中高一貫ならではだと思いました。私もいつか後輩から憧れられる先輩になれるように頑張りたいです。
☆私はまず「中高一貫」と聞いて、部活動での自分を思い浮かべました。学年が上がるにつれて、年下の子たちの指導をする立場になっていくシステムなので、中学1,2年の時には、先輩がとても大人でしっかりして見えて、自分もああなりたいなどと良く思っていました。しかし、3年になると、自分たちも中学生をまとめなければならない立場になったせいか、先輩の良い所を意識して探し、自分に取り入れようとしていくようになりました。こうして考えてみると、後輩は本当に先輩のことを良く見ているものだなと感じます。私は、今、憧れていた先輩のようになれているとはとても思えません。だから、私には自分のことを良く見ている後輩が多くいるという自覚を持ち、行動を改める必要があると気づかされました。後輩とのコミュニケーションも積極的に増やしたいです。

後輩を指導する立場に立って初めて気付く先輩の偉大さ。
自分たちが先輩をいつも見ていたように、後輩も自分たちを見ている、という気づき。
中学生、そして高校生が同じ学園に学ぶ中で、生徒たちは、先輩の背中を追い、自分の姿を時に客観視して、一歩一歩確実に成長することができるのですね。