中学講堂朝会

本日1時間目は、中学講堂朝会でした。5月の講堂朝会では、校歌の4番を歌います。5月7日の高校講堂朝会で歌いましたので、私にとっては今月2回目の校歌4番斉唱でしたが、中学生の皆さんが生徒手帳を出して歌詞を確認したように、恥ずかしながらオオバも4番の歌詞を覚えきれないため、講堂朝会用ノートに必ず4番の歌詞を書いています。その虎の巻を紹介しているのが、上の写真です(笑)。

さて、今日、中学生の皆さんに話したことは次の3つです。

  1. 5月は万緑の季節。植物も野鳥も豊富な西遠。学園という名にふさわしい環境での6年間に生徒の皆さんに得てほしいこと。
  2. 慰霊式のある5月。平和を考える5月であること。
  3. 聞いたことや考えたことをいかに「アウトプット」するか。書く力の重要性について。

1.学園という名にふさわしい環境の中で

「薫風」「万緑」といった言葉にも表されているように、 5月は緑の美しい、さわやかな季節です。 西遠にはたくさんの木があり、たくさんの花が咲きます。今、春の花が終わった木々は、若葉をいっぱい広げて、生命のエネルギーに満ちています。下の写真を見てください。3月に美しく咲き誇った桜も、朱色の花を咲かせていた木瓜(ボケ)の木も、5月には、ほら、こんなに緑を茂らせています。裸になっていたイチョウ(桜の後方)や(木瓜の木の両側)も、若葉でいっぱいですね。

そして、西遠にはたくさんの野鳥が来ます。「西遠に来る鳥を5つ言えますか?」と聞いた時の、ざわついた客席がこちら。

「え?何かいる?」「スズメとカラスしか分からなーい!」と言っているのかな(笑)。4つ言えると挙手した2年生は「スズメ、カラス、ハト、シジュウカラ」と答えてくれました。うんうん、4つ言えたのはえらい! 西遠には実にたくさんの鳥がやってきます。例えば…、

15種類も写真を挙げてしまいましたが、他にも、ツバメ・ヤマガラ・シメなど、いろんな鳥がやってくる、それが西遠のステキなところだと思います。そんな話をしている最中に、外からヒヨドリの鳴き声も聞こえてきましたね。

生徒の皆さんには、そんな学園で過ごす6年間で、いろいろなことに好奇心を持って生活してほしいと思います。豊かな心を育むことができる学園なのですから。生活環境の素晴らしさをちゃんと活用しましょう!

2.平和を学び続けることの大切さ

5月は、西遠にとって殉難学徒慰霊式を中心とした『平和を考える月』です。1年生は西遠に入っていきなり「戦争体験者にその体験を聞き、作文にまとめる」という大きな宿題に挑みました。中学2年生は「東京が燃えた日」を全員が読み、感想を書きました。3年生は岩波ジュニア新書6冊の中から1冊を選んで読み、感想をまとめました。2・3年生は、慰霊式に先立って、クラスメイトの作文を読み合う時間も取り、皆で戦争の知識や平和への思いを共有しました。

3年生が「岩波ジュニア新書」6冊の中のどの本を読んだのか、手を挙げてもらいました。1・2年生は後方の座席を振り返って、興味津々で3年生の挙手を見守っていましたね。

「ひめゆりの沖縄戦」や「1945年8月6日」を読んだ人が多かったですね。後輩たちもどんな本なのだろうと興味を持ったのではないでしょうか。

戦争について考えることは辛く苦しいことです。高校生も、「最初は慰霊式に向けて平和の作文を書くことの意義が分からず、いやだった」と感想を綴っています。けれど、6年間の間に、その重要性に気づいていきます。さらに、卒業してから出会った同世代の友人が戦争についての知識がなくて驚いた…とよく聞きます。

西遠の生徒であるからこそ、「戦争」「平和」「命」を見つめる時間があることを、生徒の皆さんにはぜひ大切に考えてほしいのです。語り継ぐのをやめた時、考えるのをやめた時に、何が起きるのか。その怖さを私たちは想像していなくてはなりません。

アウトプットを大切に

「平和の作文」もそうですが、戦争体験を聞いたり、講堂で先生の話を聞いたりした後、あるいは本を読んだ後、西遠では「書く」という課題を必ず出しています。書くのは苦手な人? と聞いたら、正直にたくさん手が挙がりましたね。分からなくもないです。でも、書く力をつけておくことは大事だよ、という話をしました。書く課題が西遠でたくさん出されていることが、書くことへの抵抗を絶対に小さくしているはずです。西遠の卒業生は、よく言います、「大学の課題レポート、皆苦しんでるけど、私はほとんど苦労しないんです」と。せっかく西遠にいるのだから、書くことを積極的に学んでいってほしいのです。インプットしたことを、今度はアウトプットして誰かに伝えることは、とても大事です。

集会記録を書くときに気を付けてほしいことをいくつか話しました。

  • 読む相手のことを想像して書こう。
  • 印象に残ったことは何か、だけでなく、どうして印象に残ったのか、理由や体験を具体的に書こう。
  • 書き始める前に、何を書くか決めておこう。何をどのくらいかくのかの分量もあらかじめ考えておこう。
  • 書いたら、読み直そう。誤字や誤変換がないか、だらだら長文になっていないか、主語と述語がおかしくなっていないか、文末表現がワンパターンになっていないか…、きちんと確認しよう。
  • 最後の文は過去形にしないように気を付けよう。「思いました」では、そこで終わってしまう。未来につながる書き方を心がけよう。

今頃、集会記録に挑んでいるであろう中学生の皆さん、ぜひ「アウトプット」の大切さを意識して、心を込めて書いてくださいね。皆さんの集会記録を読むのを楽しみに待っています。