7月25日、夏休み入りに際して、私は「授業納めの式」で次のような内容を全校生徒に話しました。
- 7月9日の全校講堂朝会「西遠生として何を身につけるか」への生徒の感想紹介
- 夏休みをどう過ごすべきか
- 平和について考えていくということ
このうち、全校講堂朝会への生徒の感想は、「姉妹ウォーク」「パフォーマンス大会」「体育大会」学園祭」「学習・テスト」の順に紹介しました。そのいくつかを、ここに掲載しつつ、1と2について、私の思いをまとめたいと思います。
姉妹ウォーク
- 当日は、私にも、先輩たちが気軽に話しかけてくださいました。他のグループの先輩も手を振ってくれたりして、本当に感謝でいっぱいです。私もいつか先輩のようになりたいです。先輩のかっこいい姿を見て、これからも成長していきたいです。(中学1年)
- 2年生になり後輩ができました。1年生の時に感じていた不安や戸惑いを理解する事ができる1番近い存在だと思っています。私は、高校生、特に6年生は遠い存在だと感じていました。ものすごく大人に感じており、どう接すればよいか戸惑いがありました。しかし、実際に姉妹活動で接していくと、先輩方はとても優しく接してくれ、気遣ってくれ、距離など感じさせない、私達の目線になって考えてくれる先輩でした。姉妹活動もより楽しく感じられ先輩方との交流が楽しみになりました。こうした戸惑いや不安を消し去ってくれた先輩方のように、私にも後輩ができたら笑顔あふれる姉妹活動を心掛けようと思うようになりました。そして、後輩ができた初めての姉妹ウォークの時には、班から離れそうな1年生を、班を見失わないように気をつけながら、少しゆっくりペースを合わせて歩いてみたり、赤信号の時には青に変わるまで座って休憩してようと声掛けをしたりする事ができました。また、どの先輩方ともロングウォーク中に1度はお話すると決めて挑み、自分から声を掛けて少しでもお話ができるようにしました。自分の中で課題を決めて取り組むこと、そして、それが達成できたときの喜びを感じることができました。姉妹活動だけでなく、学校行事を通して、人として心も意識も成長することができたら素敵な女性になれるのではないかと思いました。これから4年間のうちで様々なことに挑戦し、経験し、目標を決め、「21世紀型スキル」を多く身に着けていきたいと思います。(中学2年)
先輩たちがこの姉妹行事のためにどんな心配りをしていたのかを、下級生は7月9日の講堂朝会で知りました。そのことへの感謝や、自分も「かっこいい先輩になりたい」という思い、そして目標を持って生活末う決意が、生徒たちの感想の中にたくさんありました。これこそが、西遠の「姉妹ピア活動」の財産だと心から思いました。
パフォーマンス大会
- パフォーマンス大会は3年生の先輩や実行委員の先輩がいてくれたからこそできたと改めて思いました。3年生は一人一人がわかりやすいように振り付けを教えてくれたり、朝教室に来て教えてくださったりして、とても尊敬しました。私も3年生になった時には、今回の先輩たちのように、同じ姉妹クラスの仲間を引っ張っていけるような格好いい先輩となれるよう、頑張りたいです。(中学1年)
ここにも「格好いい先輩」という言葉が。「尊敬」の2文字も輝いていました。中学3年生のリーダーシップもまた、下級生のあこがれであることが分かります。中学1年生が「3年生になった時…」と考えられるのは、3年生の姿が目に焼き付いたからに違いありません。中高一貫の中でも、高校生に守られながら、中学3年生たちが確実に育っていることが分かる感想でした。
体育大会
- 体育祭では、クラスみんなで一致団結する力を身につけることができたしクラスのみんなと前以上に仲良くなれた気がします。一つひとつの競技をみんなで全力で応援していて「やっぱり仲間ってすごい力を持っているんだな」と思うことができたし、がんばれた気がします。私のクラスには実習生がいて最初は仲良くなれるか不安だったけど、体育祭のときにすごく仲良くなれて、そこから学校でもたのしく話したりできたので、とても嬉しかったです。(中学3年)
- 体育大会で召集係を務めました。人に指示をしたり、大きな声を出したりするのが苦手な私は、当日までとても不安でした。しかし、当日、係の仕事をした時に、自分が思っていたよりも声を出すことができ、任された仕事はできたので良かったです。指示を出す大変さを知ることができたので、今後も今回学んだことを活かしていきたいです。(高校3年)
3年ぶりの体育大会開催とあって、中学生はとっては初めての開催、高校3年生もいきなりの最上級生で実行委員会を組織・・・と伝統の学園行事開催にはかなり厳しい環境が生徒たちの前に立ちはだかっていました。しかし、不安を抱えながらも、頑張った生徒たち。クラスの団結の喜びを感じたり、係の一人として行事の進行に貢献して自分と向かい合ったり、そうした生徒の感想を読んで、私は「開催できてよかった」と心から思うことができました。
学園祭に向けて
- 学園祭などは、喧嘩、言い合い、それによって泣き出す人が必ずと言っていいほど現れます。私は基本よく言えば人の意見を優先する、悪く言えば、自分の意見を持たないようなスタンスでいるので、そんな喧嘩しないでどちらかが折れればいいのに。と思って人と言い合うことがめんどくさく感じてしまうため、人の言い合いに巻き込まれることがとても嫌いです。しかし、裏を返せば、言い合いをし、喧嘩をしている人たちは、それだけ行事に真剣に取り組んで、より良くなるようにと考えているんだと思うと、私の考え方は、良くないな。と思ったので、これからは、もっとどんな行事にも全力でぶつかって行くようにします。(高校1年)
- 21世紀型スキルのお話を1時間目に聞いたあとにHR展のテーマを決めるパネルディスカッションがあったので、今年のHR展から何を学べるのだろうとテーマ決めのときに考えて私はワクワクしていました。しかし、この感想を書きながら考えたところ、まず「何を学べるのだろう」という考えでは駄目で、「これを学ぼう」という姿勢で取り組んだ方がより成長できるのではないかと思いました。昨年のHR展を思い返すと、3年生のときよりは自分の成長を感じられましたが、私は責任者の指示を待つばかりで主体的に行動できていませんでした。今年こそ、自分のやるべきことはできるだけ自分で考える、そして主体的に行動するということを自分の目標にしたいと思います。最近、卒業まであと1年半しかないということを意識することが多くなってきました。入学したときはとても長いように感じていた西遠での6年間のうち、もう4年半が過ぎてしまいました。行事で自分を成長させられる機会も残り少なくなってきました。悔いの残らないように、今年度のHR展を楽しみながら、自分の目標を達成するためにクラスの一員として頑張ります。(高校2年)
より良い内容を作り上げていくために、話し合い・討議は大事な要素です。そのことを私は学園祭HR展の準備段階にもう一度確認しておきたいと思い、高校1年生の感想を読み上げました。また、自分から学ぼうとする姿勢の大切さも高校2年生が語っていました。こうした行事への姿勢が、21世紀を世界の人々と共に生きていく力にも着実につながっていきます。夏休みの間も、そして9月の教室でも、ぜひ研究内容を高め合う議論、一人一人の考えを深める議論が行われてほしいと思います。
学習・テスト
- 前回の定期テストでは、自分の満足のいく点数がとれなかったので、今回のテストでは目標点数が取れるように、今までの学習時間や学習内容を振り返りそれを意識しながらテスト勉強に励みました。その中でも私は数学の勉強を一番頑張りました。しかし、ケアレスミスをしてしまい、自分の納得ができない点数でとても悔しい思いをしました。次回のテストに向けてメタ学習を用いた勉強方法をしていきたいと思いました。(高校1年)
- 5年生になってみんな勉強しているんだと気づきました。気づいたのは友人の明らかな変化があったためです。今まで勉強とは縁もゆかりもなくゲームをしていた友人がいきなり「昨日6時間勉強した」「日本史のプリント丸々写さないといけなくなった」と言い出しました。さらに、昨年よりも先生方の受験だぞという圧が強くなったということも感じました。流石にやばいと思いテスト一週間前から苦手な科目と点数の取りやすい科目を主に勉強しました。3年生の時に、再診断で間違えた所を25回書き直すという経験があり、そうすれば嫌でも覚えれるのだということを思い出し、ゼミナールを最低でも3回通りはやると決め、実行できました。しかし、一週間はほぼそれらで潰れ、他の教科もやるにはもっと時間がいるのだと気づきました。過去の自分に、何もしなくてもこれだけ取れてれば十分っしょとか抜かしてんじゃねぇぞと伝えたいです。(高校2年)
- 卒業生の方が言っていたことにも感じることがありました。私も高校から西遠に入って、職員室の前で生徒が勉強していることにびっくりしました。去年勉強しなかったことをとても後悔したので、その反省を生かして残り受験までの約一年半取り組んでいきます。(高校2年)
高校生の集会記録には、講堂朝会の中でも最初に振り返って「学習」についての感想があとても多かったのが印象的でした。それだけ、一回一回のテストや、一科目一科目の勉強の重要性を身にしみて感じている生徒が多いのでしょう。生徒にとって、一回一回の夏はいつでも真剣勝負です。「勝負の夏」を意識して、意識を高めてほしいと心から思っています。
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夏休みに入り、2日が過ぎた今、講堂で私が読み上げた文章をすでに忘れ始めている生徒もいるかもしれませんが、ここで意識を新たにして、人生で一回しかない今年の夏を自己の成長のために充実させてほしいと、心から期待しています。