7月25日の「授業納めの式」でお話した内容をまとめたいと思います。
- 7月9日の全校講堂朝会「西遠生として何を身につけるか」への生徒の感想紹介
- 夏休みをどう過ごすべきか
- 平和について考えていくということ
27日のブログでは、主に「1」について感想を紹介し、「2」のことも「学習・テスト」の項で書かせていただきました。今日は、主に「3.平和について考えていくということ」を振り返ります。
この夏は、太平洋戦争が終わって77回目の夏です。いつも、夏休みに入る時には、「8月にサイレンが鳴る日時」を生徒に確認しています。今年も尋ねました。皆さん、友達に答えられましたか? 広島に原爆が投下された8月6日8時15分、長崎に原爆が投下された9日11時2分、そして、終戦の日15日正午。サイレンが聞こえた時、黙祷ができる状況ならば黙祷を捧げ、それが出来ない時も心の中で平和について考えてほしいと思っています。今年は、高校3年生菫組の皆さんの呼びかけで、8月9日11:02に「忘れないプロジェクト」に参加してくれる生徒もいるでしょう。
8月は平和について深く考える。これは、毎年の西遠生全員への宿題です。
講堂では、読書について触れました。中学生の「必読図書」には、戦争に関する本が必ず一冊入っています。中1に「ガラスのうさぎ」、中2は「東京が燃えた日」、そして中3は「アンネの日記」です。まだ読んでいない生徒はこの夏休みにこそ読んでほしいです。一度読んだ生徒も、もう一度本を開いてくれたなら嬉しいです。
高校生には、今だから読んでほしい本として、「君たちはどう生きるか」を挙げました。
吉野源三郎によって80年以上前に書かれたこの本が、数年前ブームになったのは、一体なぜでしょう。「マンガになったから」と言いますが、それだけで200万部以上売れる大ヒット作になったでしょうか。私は、この本を、戦前に書かれた勇気ある本として、民主主義の課題が露呈している今の時代にこそ、たくさんの若者に読んでほしい、読んで自分の生き方を考えてほしい、と心から思っています。マンガでも、文庫でもいいので、ぜひこの夏読んでみてください。そして、ぜひ感想を聞かせてほしいです。
コペル君! 君の精神の目を一度広大な眺めの上に投げ、そのはるかな流れの中に、偉人とか英雄とか呼ばれている人々を眺め直してみたなら、君はどんなことに気がつくだろうか。
英雄とか偉人とか言われている人の中で、本当に尊敬ができるのは、人類の進歩に役立った人だけだ。そして、彼らの非凡な事業のうち、真に値打ちのあるものは、ただこの流れに沿って行われた事業だけだ。
「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎)より
さて、夏休みに入って、私自身も新しい本に出会っています。夏は、戦争について、歴史について、生き方について、いろいろ読みたいと思っています。このブログでも、また紹介していきたいと思います。