少し前のご報告になりますが、
2月2日(土)16時から、静岡市のあざれあ6階ホールにおいて、
「子供が賢くなる女子校・男子校 自分らしさを伸ばせる学校選び」
というシンポジウムが開催されました。
シンポジウムでは、昭和女子大学 現代教育研究所所長の友野清文教授より、男女別学の歴史的経緯や現状についてのお話をいただきました。
戦前、高等教育から女性が排除されていたこと、
戦後の高度成長期には、男は仕事、女は家庭という性別の役割分担が一般化し、男子が技術を、女子が家庭科を教わり、高校に至っては女子のみ家庭科が必修であったこと、
女性差別撤廃条約に日本が批准した1985年を契機に、家庭科が男女共修となっていったこと、
2000年代に公立校を中心に男女共学化の流れが加速したことやその背景、
…男女別学の学校が減少していった歴史を学ぶことができました。
友野先生は、男女共学でジェンダーの平等性が保たれているのかという問題提起をされ、別学の特徴として、
①男女の特性に応じた教育が可能
②異性の目を意識せずのびのびできる
③人間関係、コミュニケーションにおける効果
を挙げられ、その上で、海外では男女別学が再評価されていること、国内でも学力上位行に男女別学校が多いことなどをご紹介くださいました。
このあと、「女子だけ、男子だけの環境だからこそできる教育」と題し、
静岡英和女学院中学校・高等学校
静岡聖光学院中学校・高等学校
静岡県西遠女子学園中学校・高等学校
の3校がそれぞれの教育の実践を発表したのでした。
静岡英和の吉田校長先生は、英和学と女性学という二つの取り組みを紹介されました。
英和学では、英語と和文化を学び、吉田校長先生自ら茶道を教えていらっしゃいます。
海外に行った時に相手国の日本の伝統文化への興味に応えられる人材を育てたいという熱意を感じました。
静岡聖光学院の星野副校長先生は、男子校としての取り組みをご紹介くださいました。
男子校で育つ男子に、女子の共感力を学ばせることや、
男子の苦手な「思っていることを口に出すこと」を強化させていること、
自分作りに励ませ、その上で女子との交流の機会も持っていることなどを説明してくださり、
西遠も参加してのITキャンプ(3月21日から開催)についても紹介してくださいました。
二つの学校の実践は、大変勉強になりました。
そして、最後が西遠です。
男女別学だからこそ可能な、英語教育への取り組みや、
学園祭HR展での課題探究型の学びの実践、
生活会館での伝統的な作法教育などを紹介させていただきました。
質疑応答の時間には、友野先生、吉田先生、星野先生と一緒に、岡本忍理事長と私も登壇させていただきました。
参加した高校生も感想を述べてくれましたが、男女別学の良さを聞いて納得できたとのこと、
やはりいろいろな機会にこうした男女別学の教育の意義やメリットについてもっともっとお話していかなくてはいけないなと思いました。
大変勉強になり、また今後男女別学教育を実践していくパワーやヒントもたくさんいただいた一日でした。
ご参加くださった静岡の皆様、企画運営された静岡大学ジェンダー研究会の皆様、ご出演の諸先生方、お世話になりましてありがとうございました。