夏休み明け、登校再開!

8月29日、夏休みが終わり、生徒は今日から登校再開です。西遠は2学期制なので、「始業式」ではなく「夏休み後授業はじめの式」を行います。

朝の登校風景。久しぶりに立つ正門。南グラウンドを通って生徒たちが登校します。

日陰の大きさに秋の気配を感じながら、生徒の皆さんと朝の挨拶を交わしました。 正門と創立者胸像前では、久しぶりの停止礼。しっかりできていますね。

サルスベリの白い花が秋空に眩しく、シジュウカラも元気いっぱいさえずっていました。

授業はじめの日、最初に行われるのは、30分の大掃除です。姉妹グループでいつもの掃除場所をきれいにします。久々にお話できる姉妹メンバー、作業を進めながらもみな楽しそうでした。

外掃除班のごみ袋は、たくさんの落ち葉で見る見るうちに大きく膨らんでいきました。夏休み中も、部活動がボランティアとして落ち葉掃きをしてくれていました。学園美化に積極的な生徒たち、とても頼もしく思います!

そして、「授業はじめの式」が始まりました。

私からお話したのは、次のようなことでした。

  • 夏休み中の学年行事や部活動での生徒の活躍
  • コロナに翻弄されて悔しい思いをした生徒も多かっただろうこと
  • 仙台育英高校野球部の須江監督の優勝インタビューへの共感
  • 8月10日テレビ朝日で放映された西遠の平和学習の取り組みへの反響
  • 昨年沖縄慰霊の日に「みるく世の謳」の詩を朗読した上原美春さんの今年の詩
  • 若い世代の平和への訴えに対し、壁を取り去る大人になるか、立ちはだかる大人になるか
  • 夏休み中に出会った本「1945年のクリスマス」の紹介
  • 先人の生き方や言葉に学ぶことが、今を理解し、未来を築く力になること

上原美春さんの今年の詩は「unarmed」(非武装・武器を置くの意)という長編でした。上原さんのお母様の許可を得て、朗読させてもらいました。沖縄のおばあから「武器を置くこと」の大切さを学んだ美春さんの思いが、同世代の西遠生たちに届いたらうれしいです。そして、同じ若い世代として、浜松でも沖縄でも皆がまっすぐに「平和を訴え続ける」ことを実践していってほしいと思うのです。大人の私たちもまた、若者を馬鹿にしたり茶化したり叩いたりするのではなく、若い世代にきちんと向き合い、共に学んでいく姿勢を持ち続けたいと思います。

私が夏休みに出会ったのは、ベアテ・シロタ・ゴードンさんの自伝「1945年のクリスマス」でした。ベアテさんは、池上彰さんの「世界を変えた10人の女性」(中3必読図書)にも挙げられている女性です。ベアテさんは「日本国憲法」に「男女平等」を盛り込みました。その時彼女は22歳。自伝では、彼女の小さい頃からのこと、親子が日米に生き別れた戦争時代、GHQの一員として日本に来た戦後のこと、憲法草案を作るメンバーとしての濃密な日々のこと、その後のアメリカでの活躍が詳細に書かれています。彼女がいなかったら、私たち女性が男性と同じ権利を持つことが今も実現していなかったかもしれない、と思うと、彼女の功績をもっと私たちは知らなくてはいけないと痛感します。出会えてよかった一冊です。

さて、今年の「授業はじめの式」では、この夏休みに貴重な体験をした生徒が、その報告プレゼンをしました。

「トビタテ!留学JAPAN」第7期生として、7月にフィリピン・セブ島を訪ね、「幸せになる方法」を模索した増田ひかりさんのプレゼンテーションは、訪ねたスラム、そこでのアクティビティ、日本とフィリピンで実施したアンケートの結果など、短い時間ですが彼女の使命感や積極性、エネルギーが伝わってくるものでした。聞いていた全校生徒が、彼女からも何かを得て、自分自身と向き合えたのではないでしょうか。こうした行動力のある先輩が、後輩や同級生へと何かを伝える、そんな夏休み明けの時間がとれたことを嬉しく思います。

学園祭のキービジュアルのデザインも、投票結果が示され、デザインをした生徒の表彰がありました、今年のキービジュアル、かわいいですよ。学園祭もいよいよ本格的に準備が始まります。

明日は、実力テスト(中3生は「学力判定試験」)です。学園生活は、楽しい日だけではありません。苦しい日があって、悩んで、成長するものです。明日の健闘を祈っています。