「学園祭2022」で何を学ぶか?

今日の一時間目は全校講堂朝会。この時期いつも行っている学園祭についての講話を、今年もスライドを使って行いました。

限定公開とはいえ、3年ぶりに「展示」「催物」そして「恩師謝恩会」を復活させる今年の学園祭。特に中3から高2までの各クラスが臨むHR展は、クラス全員で一つのテーマを探究する、いわば学園祭の花形です。しかし、コロナ禍前のHR展を経験したことのない生徒たちは、つかみどころのない不安や焦りがあるのではないでしょうか。そこで、今回は、学園祭の歴史や歴代の巨大制作物など、スクリーンに映し出して過去を知ってもらおうと思いました。

まず最初に紐解いたのは、学園祭の歴史です。自分が生徒だった頃の1970年代、学園祭はまだ2年に一度の開催だったことに始まり、生徒オオバ、そして教員オオバの個人的学園祭の歴史を語りました。

この歴史編のスライドを作るにあたって、過去の学校誌「友情」を読み返して整理しながら、何とも懐かしい思いにとらわれ、特にHR展で頑張っていたクラスの生徒たちの横顔が次々に甦ってきました。シーツの黒染めを頑張ってたKさん、作業しながら替え歌を熱唱してたNさん、 買い出し係で値切りの名人だったHさんなどなど、いろんな顔が浮かび、それらは間違いなく教員としての私の宝物だなあと改めて思いました。

2006年の創立100周年記念学園祭から現在までの歴史では、歴代のHR展キーワードを一覧表にしたり、2017年からは「伝統と創造」という課題探究活動を体系化したその歴史を画面にまとめ、説明しました。生徒たちは、こうした年表を見ながら、どんなことを感じたのでしょうか。

HR展の歴代「巨大制作物」も8つほど写真で紹介しました。印象に残った制作物はどれだったのかな。先輩たちの汗と苦労の決勝とその裏側を見て、きっと今作業の真っ最中である制作物の完成への大きな励みになったことでしょう。1・2年生には驚きの歴史だったかもしれませんね。

続いて、学園祭HR展で培われる「21世紀型スキル」や、審査の「ルーブリック」を説明しましたが、これらは参考になったでしょうか。西遠の学園祭は、遊びや自己満足に終わるものではなく、テーマの追究の中で知識はもちろん、様々な「世界で生きる力」と「豊かな人間性」を獲得していくものなのです。無意識のうちに獲得しているスキルや人間性もあれば、意識して身につけていくべきものもあるでしょう。

この講堂朝会のクライマックスは、HR展の責任者の発表です。「見どころ」「課題」「成長」の3点を30秒にまとめて、それぞれのクラスの責任者に語ってもらいました。

最後は、学園祭実行委員会を代表して、実行委員長に抱負を聞きました。

学園祭本番まであと2週間。時間も人手も限られていますが、私は最後にこう言いました。

  • 時間も人も限られているからこそ、工夫や協力が不可欠である。
  • 一人ではできないことも皆でやればできる。
  • 「暇な学園祭」より、「忙しい学園祭」の方が、遥かに充実している。

この3点のエールが皆さんに届いているといいなと思います。今日の講堂朝会をきっかけに、学園祭準備に拍車がかかって、台風の接近をも吹きとばすエネルギーになっていきますように。生徒たちの前向きな思いを支え、応援していきたいと思います。