11月12日に行った高校講堂朝会では、「ウーマンズスタイル100」という本の中から、茨木のり子さん、猿橋勝子さん、中満泉さんという3名の女性の生き方を紹介しました。生徒たちは3人の女性の生き方・考え方に対して、どんな感想を抱いたのでしょうか。
- 茨木のり子さんは韓国の女性詩人との交流を通じ、ハングルを習い、彼女の作品をはじめとした韓国の詩を日本語に翻訳した女性です。私は韓国にとても興味があり、趣味で韓国語を勉強しています。アプリを通じて、韓国人と会話をしながら、韓国語を学んでいます。また、韓国人が書いたエッセイやポエム、小説が好きで、悲しいときや不安なときなどに読むと、心に余裕ができ、前を向こうと思わせてくれる本がたくさんあります。茨木さんも韓国詩人の方と交流をしていたということで、茨木さんが書いた詩も読んでみたいと思いました。(高校1年)
- 猿橋勝子さんの「科学者は同時に哲学者でないとならない」という言葉に非常に共感を覚えました。科学は人を救うこともできるけれど、同時に命を奪う可能性のあるものだと私は考えていました。戦争もそうですが、科学は命を奪うものとして活用するのではなく、猿橋勝子さんのように哲学者の心も持ち合わせ、人のためになるような科学が増えていってほしいなと話を聞いていて思いました。文の上では簡単に言えるけれど、いざ世界に発信するとなるとものすごい勇気が欲しかったはずです。恐れずアメリカへ発信した猿橋勝子さんは強い女性だと尊敬し、私もそうでありたいと思いました。(高校2年)
- 中満泉さんの「15歳の私へ」という手紙の中のある「教育は最大の味方」という言葉が私の中で強く残りました。手紙を聞く限り、中満さんが学生の頃は女性が一生懸命学問に打ち込むということを良しとはしない風潮があったのであろうということが読み取れました。私が今生きている日本では女性が学問に励むことに社会は肯定的で、「女は家庭」というレッテルが剥がれつつあるのではないかと感じます。ですが私と40歳ほどしか変わらない中満さんの時代にはそういった風潮があったと考えると今、政治家として日本を動かしている方々や会社を経営している方など、日本社会の大事な役割を担っている方の多くはそういった時代を生きてきたということになります。私の中では教育の女性格差は日本にはほとんどないと思っていましたが、まだそういった考え持っている方が社会の大きな役割を果たしていることに気づき、これから社会に出ていく上でそういう考えを持った方もいるということを理解していかなかればならないと感じました。それとともに私達若者がこれから担っていく社会ではそういう考え方を変えていく必要があると思いますし、そのために私達若者も社会や日本の政治に関心を持っていなければならないなと改めて感じました。(高校2年)
西遠には、たくさんの女性の生き方を学ぶ機会がたくさんあります。この本に出ていたその他の女性への感想もありました。森下洋子さん、及位やえさん、緒方貞子さんなどの名前を挙げて、感想を述べてくれた生徒もいます。先輩女性の生き方が、西遠生に何らかの影響を与えることは、「女性から女性へとバトンが渡ること」だと思います。見えないバトンですが、そのバトンが確実に西遠生たちの芯を作っていくのだと思います。そのバトンは、遠い将来、次の世代の女性へと渡るはずです。
「身近なバトン」もあります。
- 先週の木曜日、朝の学年集会で新姉妹リーダーの発表がありました。私にとって姉妹リーダーの先輩方は、それぞれのグループをまとめる中心として姉妹掃除や交流会を後輩の私達にとても配慮しながら行ってくださっていたと、高学年になってきて強く実感します。姉妹リーダーの先輩方は色々と気遣って話しかけて、時にはアドバイスをくれたり、私の知らないようなことを教えてくださったりする優しい先輩ばかりで、憧れのような、それこそ狭いコミュニティーの中で生きている私にとっては偉人だと思ってしまうような存在でした。3,4年のときに姉妹リーダーだった先輩とは卒業してしまった今でも、LINEで相談事や大学でのことを教えてもらったりしています。先日の発表で自分が12月から姉妹リーダーになるとわかって、今度は自分が後輩の憧れとなれるような先輩になりたいと思います。(高校2年)
姉妹リーダーのバトンです。今、たくさんの高校2年生が、先輩から託されたバトンを受け取る責任感を感じていることでしょう。
世界の偉人、日本の偉人から、身近な先輩まで、私たちは様々なバトンを受け取って、生きているのです。