小さな白板2022 第30週

今週も、図書館入り口の白板(ホワイトボード)、心を込めて書きました。そろそろ2022年も終わりですが、この「小さな白板2022」は2023年になっても「年度内」(3月末まで)はこのタイトルで行きますね。ご了承ください。今週は「世界の女性、人生の名台詞」特集です。

12月5日(月) 科学者は同時に、哲学者でなくてはならない。 猿橋勝子

新たな週のスタートにあたり、講堂朝会「3人の女性」でも紹介した猿橋勝子さんの言葉を選びました。科学と哲学、文理の融合はこれからの世界に必要不可欠だと思います。

12月6日(火) 
誰が選んでくれたのでもない、自分で選んで歩き出した道ですもの。間違いと知ったら自分で間違いでないようにしなくちゃ。   森本薫作「女の一生」より

名台詞と聞いて私が一番に思い出すのが、戯曲「女の一生」の主人公「布引けい」のこの台詞です。この名台詞を私に教えてくれたのは、西遠時代の恩師川合良治先生でした。視聴覚クラブと放送委員会で本当にお世話になった先生です。映画や舞台の魅力をたくさんたくさん教えてくださいました。その先生の導きで、名女優 杉村春子の舞台「女の一生」を一度だけナマで見ることができました。この台詞が出た時には万感の思いを込めて拍手したことを覚えています。

12月7日(水)
良し悪しは後の岸の人に問へ われは颶風にのりて遊べり   与謝野晶子

与謝野晶子の誕生日12月7日に合わせて紹介しました。晶子30代の短歌です。「颶風」(ぐふう、と読みます)とは、吹き荒ぶ強烈な風のことです。強烈な嵐のような風の中で自由に遊ぶ彼女の強さに圧倒されますね。良し悪しとか評価などは自分が決めるんじゃなくて、後ろの川の向こう側にいる人たちが勝手に決めればいいわ、という不敵さ。傲慢さが許される青春時代を過ぎても、彼女はこの強さを一生持ち続けていたのです。

12月8日(木) 
After all, tomorrow is another day! (「明日は明日の風が吹くわ!」)
        映画「風と共に去りぬ」スカーレット・オハラの台詞

おお、写真撮り忘れを久々にやらかしてしまいました! 白板を撮影し忘れました…。

スカーレット・オハラがこの台詞を発するときの気高い表情。ビビアン・リーの美しさが心に甦ります。この映画の良さを教えてくださったのは、世界史の恩師 山口厚先生でした。高校2年の世界史の授業中、自らの大学受験の思い出と共に、熱く熱くこの映画を語ってくださったのでした。名台詞は恩師と共にある…。

12月9日(金)  “好き”には理屈がないの。   瀬戸内寂聴

この言葉は、瀬戸内寂聴さんが95歳の時に答えたインタビューの中にありました。実際はこんなお話の中に出てきた言葉です。

私は書く。書きたいんだから。喜びなんだから。自分の何かを表現する。それを誰かが読んでくれる。やっぱりそこでしょうね。自分1人で書いて、ただ置いておくんだったら別にどうってことないの。それを誰かに読んでもらって、自分を知ってもらいたいんでしょうね。つつましそうにしているけど、小説家は自己顕示欲ですね。ただ“好き”なんですね。人間みんな『どうしてこんな人を?』っていう人を好きになることってあるじゃない。だけど理由は説明できないのね。“好き”には理屈がないの。

瀬戸内寂聴95歳のインタビュー(NHK)より

2021年11月9日に99歳で亡くなった寂聴さん、その人生はたくさんの方々に愛されています。「好きには理屈がない」という言葉は、彼女の人生の原点かもしれません。

女性たちの名台詞を集めた一週間でした。皆さんは、ドラマや映画などで「名台詞だな」と思った台詞はありますか? 最終回に近づいて私をひたすらドキドキさせている「鎌倉殿の13人」にも、いいセリフがいっぱいありますね。さすが三谷幸喜!毎週脱帽しつつ、鎌倉殿ロスが近づいている、何とも言えない寂しさを感じて、今夜も見ます。歴史の教科書に太字で書かれている「1221年 承久の乱」が、今宵です。

【おまけ1】今週の西遠の木々と花と青空&一羽の鳥をどうぞ。

【おまけ2】12月6日から10日までのお月様の満ち欠けをどうぞ。8日が2022年最後の満月でした。次週は14日に流星群が見られますよ!