講堂朝会で話したこと

昨日6月29日、1時間目は全校講堂朝会でした。
今回は、「女子力」をキーワードに、考え方や生き方について生徒の皆さんに問いかけました。
最初に、「私が昨日気になった出来事」2つ。
①G20大阪サミット開催のテロ対策として、電車の駅のトイレからサニタリーボックスが撤去されたというニュース。
②テレビの傘特集での「女性はビニール傘をさしていると女子力が下がりますよ」という視聴者コメントへの違和感。
①は、世の中の半数である女性への「配慮」と社会の「安全」とをどう両立させられるのかという課題です。
オリンピックやパラリンピックといった祭典を控えて、ぜひ生徒の皆さんに自分のこととして考えてほしいし、皆さんなりの意見を持ってほしいと思い、紹介しました。
②について。
久々に聞いた「女子力」という言葉に対し、反射的に「やだな」と思った自分がいました。
ビニール傘をさすと女子力が下がる…?余計なお世話だよね、と思いました。
そこから、「女子力」について、生徒の皆さんにも考えてもらおうかな、と思いました。
「女子力」って、だれのためにある言葉なんだろう。
男性から見て、理想的な女性?
もてたいために得る力?
世間の言う「女子力」、
朝日新聞「Dear Girls」に掲載された各界の女性たちの考える「女性の生き方」、
そして、西遠の生徒たちがかつて中日新聞「新聞カフェ」で考えた「女子力」・・・。
朝日新聞「Dear Girls」は、こちらからどうぞ。
但し、2017年の特集はここからは検索できなかったので、
サヘル・ローズさんと春香クリスティーンの記事は個別に探しました。
元宇宙飛行士の向井千秋さんは、残念ながら見つけられませんでした。
  →サヘルさん クリスティーンさん
「新聞カフェ」の模様は、当ブログからも検索できます。
ちょうど2年前の昨日、カフェが開催され、
2年前の今日、新聞記事が掲載されたのでした。
  →こちらこちらをどうぞ。
さて、女性が感じる「社会での不平等や差別」を是正していく時、大事なのは、「自分がいくら生きやすくても、誰かが生きづらい社会であってはだめだ」ということ。
女性の地位向上だけに特化した問題ではありません。
世の中には、「生きにくい」「生きづらい」と感じている人がたくさんいます。
「自分だけが生きやすいこと」を大事にするのではなく、
「誰もが生きやすい環境」を目指してほしい…。
そこで、私は、ろう者のご両親を持つフリーライターの五十嵐大さんの文章を紹介しました。
五十嵐さんが、お母さんへの屈折した思いを持って育ち、20歳の時に大きく考え方を変えた、その体験が紹介されています。
これはインターネットで読めるものですので、ぜひご覧ください。→こちら
この文章を朗読させてもらいましたが、生徒の皆さんには考えさせられることがたくさんあったのではないでしょうか。
反抗期真っ盛り、親に不満を抱いたりしていることがある生徒は、ギクッとしたかもしれません。
気になった言葉や文もあったでしょう。
五十嵐さんがこれからライターという職業で生きていくと決意し、テーマとしてろう者や難聴者を取り上げることを決めたことに彼女たちは何を感じたのでしょう。

女子力に始まり、「誰もが生きやすい社会」を作るためにはどうしたらよいのかを考えるところまで、50分弱でお話した今回の講堂朝会、
生徒の皆さんがどんなことを考えたのか、とっても気になります。
生徒の皆さんには、テスト前ではありますが、今回の話の中身で気になったことを取り上げて、感想を書き綴ってほしいと思っています。