7月26日の授業納めの式で、
「夏休みが来たらやろうと思っていることを、ぜひ箇条書きしてみてください。私がしたいのは読書です。皆さんは何ですか?」
と全校の皆さんに話しました。
夏休みもあとわずかで終わります。
先生方は、皆さんより一足早く来週早々から会議や研修に入ります。
そこで、今日は、私がやろうと思っていた「読書」の結果をご報告したいと思います。
我が家には夏休みに私が手に取るのをずっと待ってくれていた本たちがいました。
その中には、
・生徒の皆さんに勧められた本
・ラジオや新聞記事・ツイッターなどで出会った本
があり、この夏休みは、まず
・長編の小説を読む!
・平和に関する本を読む!
という優先順位で計画を立てました。
では、今日までに読み終えた本を少し紹介しましょう。
「職業は武装解除」瀬谷ルミ子著
藤井先生にお借りした本です。
武装解除という分野を開拓して、世界を飛び回っておられる筆者の生き方は、まさに「自分の未来を拓く。周囲の未来を拓く。」という生き方だと思いました。
彼女の熱意・勇気・積極性と共に、本の端々に現れるユーモアのセンスにも感服しました。
ぜひ彼女の講演を聞いてみたい!と強く思いました。
「男子が10代のうちに考えておきたいこと」田中俊之著
新刊です。
女子校の教員として、とても興味ある内容です。
恋愛や仕事、定年後に続く生き方など、10代男子に向けて発信されているこの本は、実は女子高生にも必読書ではないかと思いました。
男子は競争、女子が協調。時代によって求められるものの差異はあるものの、この2点が普遍的に根底にあるのではないか、と著者は言います。
男女別学のメリットを享受しながら、こうした本を読むことが、これからの社会で大いに役立つのではないかと思いました。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディみかこ著
偶然ラジオで聞いた筆者と高橋源一郎さんの楽しいトークで、この本を読みたいと思い、すぐに注文しました。
イギリスで、配偶者、息子と3人で暮らしている彼女が、息子さんとの日々を生き生きと綴ったエッセイです。
ラジオでのトークがとても魅力的で、本を開くとトーク以上にもっともっと魅力的な文章が続き、読むうちにすっかりブレイディみかこさんと息子さんのファンになってしまいました。
息子さんがたくましく育っていく様子が綴られていて、親は子に教えられるってことが本当にあるなあと共感しながら読みました。
いじめや差別、多様性についても考えさせられます。
今年の「Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞」にもノミネートされた本です。
生徒の皆さんにもおすすめですが、大人が読むととても面白いと思います。
「かがみの孤城」辻村深月著
今年2月の講堂朝会で「読書」について取り上げ、生徒全員に感想を書いてもらいましたが、その中でたくさんの生徒がこの本を勧めてくれました。
その時から、ずっとこの本を読まなくちゃと思って、夏休み到来を待っておりました。
10代に大人気の本であるのは、読んでいてよく分かりました。
いじめで中学校に行けなくなってしまった少女が出会う鏡の中の世界。
大人として、教員として読むと、ちょっとアウェイな気分になってしまいますが、
登場人物たちの変化、関係性がとても面白かったし、希望を持てる展開であることが嬉しかったです。
これは、西遠生にすすめる本に「当確」ですね。
「蜜蜂と遠雷」恩田陸著
ようやく、読みました!
出てすぐ読まなかったのは、時間がなかったから、というのは言い訳にすぎませんね。
でも、ゆっくり小説を味わう余裕がなかなか持てず、
この本も、すすめてくれた生徒の感想文に背中を押されて読むことができました。
音楽を文章で表現できる作者の創造力・表現力に圧倒されました。
登場するコンテスタントたちのなんと魅力的なこと。
浜松が舞台になっているのも嬉しいですね。
一緒に買ったCDは、車で素敵な音を奏で、読後の余韻に浸らせてくれています。
最後の2冊は、本屋大賞受賞作。
人気の本だけあって、どんどんページが進みました。
本と向き合う時間をたくさん持てたことは、この夏休みの大きな収穫です。