最初に。
今日は統一地方選挙の投票日。 浜松市民は、今回、市長選、市議選、県議選と3つの選挙があります。先ほど、母と投票に行ってまいりました。写真は、投票の証拠です、投票した後にもらえます。
主権者として投票という権利を行使することを私は愚直に続けたい、続けなくてはならない、と思っています。これをお読みの皆様もどうぞ選挙権をしっかり使ってください!
因みに、上のカードを持参すると、特典のある「選挙割」もあるんですよ。→こちらもご参考にどうぞ。
さて、令和5年度の「小さな白板(ホワイトボード)」もスタートしました。図書館はまだ貸出等を始めておりませんが、図書館入り口には、白板がありますので、ぜひ生徒の皆さん、毎日チェックしてみてくださいね。
4月4日(火)
若き日を語れといふか若きわれ井蛙(せいあ)なれども大海へゆく 坂井修一
高校入学式で私が紹介した短歌です。歌人の坂井修一さんは、工学博士であり、東京大学附属図書館館長でもあります。「短歌研究」に「鴎外守」と題した短歌が掲載されていて、その中の一首が心に響きました。若き日の自分は、井の中の蛙だったけれども、大海原へ繰り出していた、という回顧は、作者の誇りなのだと感じました。チャレンジなくして若さを謳歌できるでしょうか。高校生活ではぜひ挑戦をしてほしい、と私は思います。限界まで挑戦するからこそ、何かが得られるのです。新入生の皆さんの活躍を心から応援し、この短歌を白板にも書きました。
4月5日(水)
いつの間にか四月来てゐて新しいひかりと他のひかりが混ざる 荻原裕幸
4月が来るということが、「待ちに待った」なのか「いつの間にか」なのかは、人によって、立場によって、年齢によって、きっと違いますよね。新しいひかりと他のひかりが混ざる、という表現の中に、例えば、真新しい制服やスーツの人々といつものメンバーとが乗り合わせたバスや電車の中の風景を想像します。ああ、4月が来たんだ、という実感。私は、正門に立って、見慣れた保護者の方々の車に混じって、初めて見る車が止まって生徒を降ろしていく、そんな光景に、この歌のような「ひかりが混じる」空気を感じます。
4月6日(木)
あはれしづかな東洋の春ガリレオの望遠鏡にはなびらながれ 永井陽子
三好達治の「甃のうへ」(いしのうえ)という詩を高校時代に教わりました。
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ ・・・・・
という書き出しのこの詩の「本歌取り」の短歌だと受け止めました。桜の開花が早く、花びらが風に舞い始めましたので、この短歌を紹介しました。桜の花びらの舞い散る動きだけが「静止画」ではないことを気付かせるこの一首は、東洋とガリレオ、柔と剛を対比させるところが素敵ですね。
4月7日(金)
春だねと言えば名前を呼ばれたと思った犬が近寄ってくる 服部真里子
犬って、健気でかわいい生き物ですよね。ハル、ハルカ、ハルキ…このワンちゃんの名前はきっと「春」という言葉に似ているのでしょう。自分が呼ばれたと思って飼い主のもとに駆けつけてくる愛犬の愛くるしさを想います。
昔、シュバルトという犬を飼っていました。シュバ、シュバ、と呼んでいました。散歩しながら「次飼うならシバイヌがいいね」「シバは飼いやすいんだって」と母と話していたら、シバとシュバで、自分が呼ばれたと思って、嬉しそうに振り向いたシュバでした。なんて勝手なことをしゃべっちゃったんだろう、と何も知らない犬に「ごめん、ごめん」と謝ったのを覚えています。人間って身勝手で、それを包み込むようなおおらかさと健気さを犬は持っているのです。
4月8日(土)
あすひらく花の名前を簡潔に未来と呼べばふくらむ蕾 笹井宏之
中学入学式のこの日、白板に書いたのは、「未来」と名付けられた蕾の歌。実は、この短歌、白板に書くのは2度目です。最初に書いたのは、2021年9月26日。オープンスクールを行った日でした。その時、見てくれた小学生の中に、今日入学してくれる子がいたら嬉しいなあ、と思いながらの「再掲」です。
新入生の皆さん、あなたたちは膨らんだ蕾です。これから、どんな花を咲かせるでしょう。西遠で、未来を咲かせてください!
生徒の皆さん、西遠の百花繚乱の花たちに負けないように、大きな、自分だけの花を令和5年度の学園で咲かせましょう!