世の中にはいろいろな記念日があるんですね。4月25日は「世界ペンギンデー」なんですって。「雑学ネタ帳」によると、「毎年、この日の前後にアデリーペンギンがアメリカの南極基地に現れたことから、基地の科学者たちが『ペンギンの日』として祝ったことが始まり」とあります。4月の今頃が、南極基地にアデリーペンギンが姿を現す季節なんですね。
南極のペンギンと言えば、テレビでペンギンが驚異のジャンプ力で陸に跳び上がる姿が紹介されて、心底驚いたのを覚えています。あれはたしか、NHKが南極大陸からの中継を行ったときで、テーマソングが山口百恵さんの「アンタクティカ」でした(1978年だそうです!古い!)。
さて、世界ペンギンデーということで、コウペンちゃんとかピングーとかSUICAのペンギンとか、いろんなキャラクターも思い浮かべましたが、やはり、この本は外せません。このブログで何度も紹介している本ですが、ここでも紹介させてください。
「人生を変えてくれたペンギン 海辺で君を見つけた日」
トム・ミッチェル著 矢沢聖子訳(ハーパーコリンズジャパン)
この本に出会ったのは、2017年のことでした。注文してからだいぶたって本が届き、注文していたことすら忘れていたという私でしたが、いざこの本を手に取って読み始めると(読み始めるまでの放置期間がまた長かった!)、筆者とペンギンとの出会いからの日々がそれはそれはいとおしくて、すぐにこの本のファンになってしまったのです。しかも、このお話は「実話」です。「フアン・サルバドール」(通称はフアン・サルバド)と名付けられたこのペンギンは、たくさんの奇跡を起こしました。人の心を解きほぐし、人の輪を作りました。ページが進むにつれて、別れの予感がしてきます。実話ですから…。最後は家で読み終えて、さめざめと涙をこぼしました。でも、温かい涙でした。(詳しくは、こちらへ。)
本を読み終えた夜に書いた、私の読書感想文(!)の一部を紹介します。
写真は一枚も登場しない。ところどころにペンギンのイラストが入るのみ。しかし、それが余計に著者とフアン・サルバドの姿を脳裏に思い描かせることになった。著者自身、最後に書いているが、愛すべき相棒であるペンギンの写真を全く持ち合わせていなかったようだ。一編だけ動画を後に発見して、再会の涙に暮れたとある。子育ても終わってからの発見だったようだ。そして再びアルゼンチンに行き、寄宿舎の屋上に佇み、サンクレメンテの海上生物センターで、保護された一羽のイワトビペンギンと出会う。そこで、パズルの最後のピース「果たして海辺からフアン・サルバドを連れ帰ったことは正しかったのか」の答えを得たのだった。彼が本を書くことになったのは、その後だ。熟成された記憶が、母に送っていた手紙などの助けを得て、この愛すべき一冊になった。この本を多くの人に読んでもらいたいという思いと、自分だけの中にフアン・サルバドを独り占めしておきたいという思いが交錯する。頼んでおいて大正解の一冊であった。(2018年2月6日)
のちに、この本のことを書いたブログを読んだ卒業生が、息子さんにこの本を勧めてくれたというエピソードもあり、この本の「格」はさらに上がりました。いよいよ忘れがたいペンギンの本となったのです。(詳しくは、こちらへ。)
ですから、世界ペンギンデーの今日、ここに再び(三たびかな)この本を推薦します。「人生を変えてくれたペンギン 海辺で君を見つけた日」・・・ぜひこの本で、すてきなペンギンと人間たちに、あなたも出会ってください。