今日は、初めて中学3年生の道徳を担当しました。学年集会の後、そのままの形で行いましたので、なんと中講堂での道徳です。
中学3年生の教材に選んだのは、ずっと以前に西遠の先生方が「道徳」で扱っていた教材「ネパールのビール」。NHKの演出家として活躍した吉田直哉さんのエッセイです。昭和60年、ネパールへの取材の際に起こった出来事を吉田さん自身が振り返って綴った文章です。前半部分を皆で読んで、その後どうなったのかを考え、最後の部分を配布して、その結末と少年の人柄などを話し合いました。
皆活発に話し合っていました。そして、私も座席を回ってみんなの意見を聞くことができました。
少年の人柄を表す言葉が皆さんからたくさん出てきました。正直、真面目、誠実、責任感が強い…などなど。その性格を知れば知るほど、吉田さんの涙の理由が分かりますね。私が皆さんに伝えたかった言葉は「崇高」という言葉です。あまり普段使う言葉ではないけれど、心の奥に「崇高な精神を持つこと」をぜひ皆さんが今日このエッセイから胸に刻んでほしいと思って、この道徳を担当しました。一人の少年に大人たちが教えられたように、私たちも「崇高な精神」を大切にしていきましょう。
それにしても、ビールなんて道徳で出てくるとは思わなかったかな? そして、昭和が舞台の文章を読ませるなんてね…笑。でも、私は思います。国語はもちろんですが、道徳でも大人の文章にたくさん触れてほしいな、触れる機会をたくさん作りたいな、と。けっして道徳の授業のために書かれたのではない文章の中にも、筆者は必ず伝えたいことを書き込んでいます。その伝えたい内容が読者に伝わった時、心の琴線に触れることができるのです。そんな文章を探すことも、教員の大事な仕事だと思っています。
3年生の皆さん、また、道徳の授業で会いましょう!